瀬尾まいこさんの小説が映画化、それだけで気になりますが
秋に録音でのインタビューをお届けした
熊木杏里さんがエンディングテーマ「こと。」を
歌っていることでさらに気になっていた映画でした。
仙台フォーラムで「天国はまだ遠く」を観てきました。
山奥の民宿で自殺を図るも失敗し、少しずつ
生きる喜びを取り戻していく女性を加藤ローサさんが、
民宿の青年をチュートリアルの徳井義実さんが演じる作品。
ローサちゃんの食べっぷりがよくて、
もぐもぐしている顔がかわいくて和みます。
徳井さんはテレビのフリートークでみるとぼけたおしゃべりと
同じトーンだけれど、でもなんだか孤独感がにじんでいい演技。
景色がゆったりしていて、人の呼吸が伝わってくる映像です。
セリフは少ないけれど、しぐさや表情から感情を
読み取る時間を十分に与えてくれる流れでした。
うつに苦しんだり、精神的に追い詰められる人が珍しくない時代。
自分自身で選んだ刺激のある生活が時にひどく
人を疲れさせることがあるのではないでしょうか。
そんなとき、どうやって元気を取り戻すことができるか。
とってもシンプルなことをこの映画は教えてくれるような気がします。
でもそのシンプルなことをすぐに忘れちゃうし、
なかなかできないんだよなぁ、きっと。
すぐには行動できないからこそ、心にこんな
素敵な景色を描かせて、次の休みにいい空気を吸いにいこうか、
美味しいものでもゆっくり食べるか、なんてちいさな休みに思いを
馳せてみたり。
余韻を楽しめるラストシーンが好きでした。
熊木杏里さんの「こと。」はそのシーンに良くあっていて。
後半の描き方、小説ではどんな味わいになっているのかな。
原作を読んでみたくなりました。