今、広瀬通の会場で仙台在住の水墨画家、木村幸彦(ゆきひろ)さん
初の作品展が開かれています。
木村さんは今年「第34回全日本水墨画秀作展」において
準大賞を受賞されました。
新進気鋭の若手の水墨画家として注目され評価も高まるなか
今回は準大賞を受賞した作品「忘(ぼう)」をはじめ、
これまでの作品を展示しています。
会場では軸作品や、額に入った作品、
スクリーンに作品がフラッシュで映しだされるコーナーもありました。
みたことのない水墨画の世界が広がっていると思います!
なんといっても、水墨画で描く、人物画の迫力があります。
先に挙げた「忘」は
私が見た感じだと、もくもくっとした煙の中で
ちょっと怒ったような顔の女性の振り向きざまの横顔に見えました。
木村さんの作品は、実体験がもとになって生まれているそうで、
この作品もまさに、出会いがきっかけになっているようです。
「忘」という漢字には忘れると怠るという二つもあるそうで
記憶が段々薄れていくようすが描かれています。
苦い思い出も記憶がなくなるのはさみしい、という思いと
恋する熱いきもちを怠っていないか、そんな気持ちが込められているそうです。
観た人が不思議な物語にひきこまれるようでいて一方で
自分のであった誰かの横顔を思い出すかもしれません。
ところで、おもしろいのは木村さんの水墨画は何枚も同じ構図のものを同時に
描いていき、その中でご本人の気に入ったものが作品として
出来上がるそうですが、同じ構図の作品で「忘れる」というのもありました。
違いを見比べてみるのも、味わい深いです。
音が聞こえてきそうな力強い作品も多いと思いました。
会場に流れていたピアノロックがとっても似合っていました。
木村幸彦(ゆきひろ)さんの個展は
今月24日(火)まで青葉区国分町の
「仙台協立第2ビル1階特設スペース」でひらかれています。
広瀬通をまっすぐ行って晩翠通りの手前、伊達の牛タンのお隣です。
時間は午前11時から午後7時まで、ただし、最終日の24日(火)は
午後3時までとなります。入場は無料です。
墨一色から生み出される無限の表現力と生命力あふれる
世界観を感じてみてください。