今年のARABAKI ROCK FEST.10では
「あんまりフェスとか慣れてないけど…楽しい!」と言って
ギターを気持ちよくかきならしていたおおはたさん。
仙台で1年ぶりとなるワンマンライブが
retro Back Pageで行われました。
1年前のワンマンは弾き語りで、
今回はトリオ編成でのライブ。
弾き語りの時はあらかじめ決めたセットリストではなく、
思いついたままにその場で曲を演奏していくスタイルでしたが、
バンドでも、おおはたさんの心に浮かんだ曲を
次々と演奏していくスタイル。
次に何をやるか分からないという緊張感のなかで
バンドの二人がじっとおおはたさんの指先をみながら
音が重なっていく楽しさ。ドラムの北山ゆう子さん、
ベースの伊賀航さんがつくりだすグルーブが素晴らしかったです。
今回はニューアルバム「光を描く人」をひっさげてのツアーでした。
前作から1年を経て再びニューヨークで、
ジェシー・ハリスとリチャード・ジュリアンというNYを代表する
ふたりのソングライターが
共同プロデュースしたアルバムになっています。
そしてアルバムを紐解いていけば「波間にて」では、
クラムボンの原田郁子さんが、
「キリン」では糸井重里さんが作詞に参加していたりします。
ライブでは「キリン」のおまけで
一緒に糸井さんから歌詞が送られてきたというナンバー
「ロバ」も披露。洒落がきいた(!?) 歌詞に、思わず会場が和みました。
おおはたさんの思いつきで「2部制」となったライブは、なんとアンコールに
突入すると「停電したつもりで(おおはたさん談)」灯りを落として、
アンプラグドでの演奏へ。おおはたさんの顔さえ見えないアンコールは
ちょっとおかしさがこみ上げてきましたが、
たとえ停電してもギターが一本あれば
ライブのできるアーティストであることを証明してしまいました。
お互いの息遣いを確かめられるほどの近い距離で、
どんどん親密さがましていくようなライブでした。
飄々としているようで、でもみんな楽しんでいって、という
芸人魂のようなものさえも感じてしまいます!
ギターを抱えた吟遊詩人、おおはた雄一さん。
やわらかいけれど、同時に熱を帯びたその歌声と、
静と動を変幻に行き交うギター。
ライブで聴いてますます好きになる曲ばかりの夜でした。