放心状態とはまさにこのことです。毎回エレカシライブのあとは
同じことを言っているような気もします。
今回はミニアルバムを含めて通算20作目となるアルバム
『悪魔のささやき~そして、心に火を灯す旅~』をひっさげてのライブでした。
白シャツ姿で登場した宮本さんのギターが響いて
一曲目の『脱コミュニケーション』がスタート。
続く『新しい季節へキミと』に入る頃にはすでに会場が
沸点に達していました。雄叫びをあげるファン。
「エビバデ、ホームグラウンドのようなZEPP仙台へようこそ!」と
応える宮本さん。
ほとんどMCがなく進んでいくライブで、
いつものように”総合司会”の宮本さんは
忙しそうにうごきまわりながら今のエレカシを歌います。
時にハンドマイクでほえるように、
時に椅子に片足をかけながら、
そして時に一本足で立って
左肩から上につられているような格好でギターをかき鳴らしながら。
エレカシがエレカシであることを証明する力強いバンドアンサンブル。
ドラムのトミさんが「来い!」という真剣なまなざしで
宮本さんに向き合う瞬間とか、
ZEPPの空気ごとグルーブに変える
高緑さんのうねるベースも、
いつものがに股で弾く石森さんのギターも大好きです。
宮本さんからはメンバーへの愛とも渇!とも、
その両方とも取れる言葉が飛び出していました。
その瞬間、あぁ、エレカシはずっと闘っているからかっこいいのだと思いました。
『とても丁寧に歌ってきた歌です。みんなにささげます』とはじまった
「悲しみの果て」。
『できた時にぐっときた曲』という『彼女は買い物の帰り道』。
宮本さんが女の人を主人公にして歌うと
こんなにしなやかで強い歌になるんですね。
アコギでも同じ曲を一部歌ってくれるのかと思いきや、
会場があまりにも沸いて結局おわりまで歌い続けたシーンはサプライズ。
微動だにしないメンバーと一点に集中して聞き入るお客さん。
あの雰囲気も鳥肌ものでした。
『新アルバムのタイトルの入った曲』と紹介した『旅』・・・また名曲の誕生ですね。
黒シャツに着替えた宮本さんがあっという間に登場してアンコールラストの
『ファイティングマン』でさらにお客さんが団結力を増す時間まで、
本当に圧倒されっぱなしでした。
一筋縄ではいかない素晴らしいバンド、エレファントカシマシ。
光も闇も経験しながらわたしたちは生きています。
何度も立ち上がったりやっぱり前を向いて進んでいくにはエレカシが必要。
おなかの底から力の沸いてくるライブでした。
会場を満たす熱い空気の中で宮本さんが放ったひとことが印象的でした。
『俺も元気をもらったぜ!!お互い様だ!』