青空をみて、
"そうだ、美術館へ行こう”と思い立ちました。
オープンカフェはもう寒いですが・・・
ひんやりした空気の中で
庭を歩けばかさかさ落ち葉が音をたて、
広瀬川のせせらぎも聞こえてきます。
そして宮城県美術館のアリスの庭が好きです。
ちょっとシュールな像たちが、ひょうひょうとしながら
別世界へ誘ってくれるよう。
今日はとても館内は混んでいましたが、
その理由は人気の特別展”フェルメールからのラブレター展"
特別展のタイトルにもなっているヨハネス・フェルメールの代表作3作をはじめ
17世紀のオランダ絵画を紹介する展覧会。
しかもフェルメールの"手紙を読む青衣の女"は今年の春修復が終わり
本国オランダに先駆けて公開されていることでも話題になっています。
美しい青に吸い込まれるように人垣ができていましたが、
鉱物のラピスラズリを原料にしたウルトラマリンで描かれた青。
ほんとうにそこで息をしているかのような光、影、肌、まなざし。
そして作品の中で描かれる
背景にかけられている額縁に入った絵画に聖書の教えがあったり
ことわざを表すモチーフで人々へ美徳を解いていたりするのですね。
17世紀識字率もあがったオランダでは自分の思いを
紙にまとめて書くという行為=手紙そのものが新たしいことだったそうです。
室内絵画にも「手紙」というモチーフがブームになった時期だったとか。
手紙ブームに乗って
「手紙の書き方」本も多く出版されたそうですが、
"求婚する男性"が
その①思いを伝えるロマンティックな文面
その②なかなか返事が来ないので思いをつたえつつロマンティックに催促する文面
が紹介されていて
”求婚された女性"が
その③"親の反対”ということにしてロマンティックにお断りする文面
というのがパネルで紹介されていました。
なかなか興味深し・・・
一方で、アジアの洋上やアジアの国で働くひとへ書いた手紙の
返事が届くまでには2年かかったという時代。
そんな待った手紙の封をあけるときには
どんな思いがしたのでしょう。その瞬間をきりとった絵画だと思うと
美しさのみならずもう一度、静かな感動が満ちてくるようでした。