12月2日から始まった光のページェントでにぎわう定禅寺通り。
キラキラの電飾をまとい、サンタクロースが乗ったページェントカーと
すれちがいました。そうだ、アルバムに入っている日本語訳詞カバーも
素敵だったと、トッド・ラングレンの”I saw the light"のメロディーを
鼻歌で歌いながら、向かった先は春日町のせんだいメディアテークにほど近いカフェ、
SENDAI KOFFEE CO.(センダイコーヒー)。
シンガーソングライターであり、GANGA ZUMBAやpupaなどの
バンド活動でギターリストとして、また音楽プロデューサーとして幅広く活動を続ける
高野寛さんのアコースティックライブが行われました。
カフェのドアをあけて「寒いね~」と、やや肩をすくめながら登場したものの、
コートを脱ぐと中は半袖。すらりとしたスタイルのよさは相変わらずで
首もとにはストールがゆれていました。
仙台ライブの前日は盛岡ライブで、その盛岡で虹をみたといい、
「虹運がいい」とおっしゃっていましたが、SENDAI KOFFE CO.の壁にもこの日、
虹の絵がかけてありました。きっと入った瞬間にあっ!と思ったのは私だけではないはず。
時折、カフェカウンターの奥からシュシュ、っとお湯のわく音が
聞こえてくるなか、アルバム『kameleon pop』から『君住む街へ』でスタート。
アルバムについて、今回は新曲をライブで歌いながら曲を練っていったそうで、
ステージから感じた客席のリアクションや、曲についてツイートしたときの
フォロアーのリアクションはかなりアルバムに影響を与えているはず、と
語っていた高野さん。音もジャケットも3月上旬に完成していたそうですが、
不思議と歌詞が3月11日以降の世界にシンクロしているのです。でも当日は
「僕は、歌で全部いいます」として、具体的に胸の内を
話し言葉にすることはありませんでした。
高野さんプロデュースのSUPER BUTTER DOGの名曲
『サヨナラCOLOR』も弾き語りで歌ってくれるなど
前半はカフェでのアコースティックライブらしく、
落ち着いたセットリスト。このまま進んでいくのかと思いきや、
「呼んでもないのに勝手についてきた」と、
ラフに紹介されたドラマー&パーカッショニストの宮川剛さんが登場。
『相変わらずさ』では光のページェントに絡めた歌詞にして。
『ベステンダンク』もきらめき強め。『デイ・ドリーム・ビリーバー』は
今年聞いたどのデイ・ドリーム・ビリーバーより優しく感じました。
ふとしたことからロッククライミングの話になり、
「ロッククライミングといえば男らしい、男らしいといえば藤岡弘、藤岡弘と
いえば最近顔が似てきた田島貴男」というまさかの展開のMCがつないだ先には
高野さんと田島貴男さんのコラボ曲『Winter’s Tale』がありました。
この編成でメロディのすばらしさがダイレクトに伝わります。
フォーキーな演奏も。ギターの表現力にはっとする瞬間も。
アンコールには『確かな光』をオレンジのライトの中で、マイクを通さずに
歌ってくれました。至福のひとときでした。
ライブ後、サイン会には長い列ができていました。
私もライブ会場限定のCDをいそいそと購入したものの、
緊張しすぎてサインをお願いできず…(笑)
歌のメッセージを受け取りながら、この日、ずっと考えていたことの
アイディアが浮かびました。それは来年の年賀状に書く言葉。
受け取ってもらう人のしあわせを願ってこう書こう。“虹がかかりますように”