震災から1年をむかえ、
思うことがたくさんあります。
沿岸部の街を訪れるたび、その景色に
地球にとっての一年はどれだけ短いのだろうと思います。
でもそこに生きるひとたちは
途方もなく長い一年を生きて
ひとつひとつ、すこしずつ街を造ってこられました。
一年を区切りに、”やりきった感”で日本中が満たされるのではないか、
そんな怖さを感じることがあります。
震災直後の混乱を思い返せば
人が歩ける道が一本できた時から、
車が一台通れる道ができた時から、
復興ははじまっています。
でも、ここからが本当のスタートだと思います。
先日番組に
「3月11日に結婚式を挙げます」というメッセージが届きました。
葛藤の中で、でも周りの方の励ましの中でこの日を選んだおふたり。
あえて3月11日に大切な日を重ねて、未来のお子さんにも
伝えたい、とそのメッセージには記されていました。
きっとわたしたちは「3月11日」を忘れないことと同じくらい
「3月11日」に新しい思い出やうれしいことを重ねていくことも
大切なのだと思います。
傷ついた街に次々にオープンした「復興商店街」。
おいしいものを食べて、お店の人となかよくなって、また来ます、と約束をする。
再開を果たした工場からの製品をわくわくして待つ。
とれたての農産物、魚介類で東北の季節を感じる。
観光地に行って、”やっぱりこの景色が自慢だな”と思いながら写真をとる。
ふるさとを愛したひとがたくさん亡くなって
これからもここで生きたかったひとがたくさん亡くなりました。
手を合わせることしかできない自分が
唯一天国へ向けることができる恩送りと思っています。
そして、この一年にいただいた様々な励ましや支援にもあらためて
感謝を伝えたいです。
思いをシェアしてくださったリスナーの皆さんに。
進むべき道を言葉で示してくださったあなたに。
明るく過ごしてくれた友達に。
何時間も電話につきあってくださった先輩に。
発信し、支え、届けてくださったミュージシャンと音楽に。
距離を超えておもいひとつでボランティアにかけつけてくださった方々に。
プロフェッショナルな仕事仲間に。
笑顔がかわいいあなたに。
団結力のある家族に。
心からの感謝をとどけます。本当にありがとうございます。
明日からもこころの手をつないでください。
一緒に、ほほえみの明日へ進んでいきましょう。
東日本大震災で亡くなられた方々へ
謹んでご冥福をお祈りいたします。