写真と、音。
指向性のスピーカーは1人分動くとよく聞き取れないほど。
この展覧会は写真の前でスイートスポット探しからはじまって
小沢健二さんのかたりと共に聞こえてくる
さまざまな街の音に耳を澄ましながらめぐります。
パルコで小沢健二さんの「我ら、時」展覧会とポップアップショップが
開かれています。
「秘密のトンネルのような暗がりで、写真を見て、音を聴く」展覧会。
渋谷パルコを皮切りに、仙台にやってきました。
写真は奥さんで写真家のエリザベス・コールさんの撮影によるもの。
アマゾンの森林があったり、エチオピアの地下教会だったり、
インドの花火の夜をつたえます。ライブ写真の下では
ライブ音源も聴くことができます。
その土地の日常で鳴っている音楽や、
自然の音や、笑い声や車の音、動物の気配、ひとの息づかい。
興味深い語りがあって、
”音楽には波長があって、その波長は性格に影響をもたらす。
潮騒を聴いて育った人はその人の中に潮騒の波長がのこっているかも”という
フレーズがのこっています。
子どもの頃から長く楽器をやっている人は、その楽器みたいな性格になるという
クラシックをやる人の言葉も語られているんです。
県民性とか国民性とか、風土だけでなく、街の音も影響しているのかも
しれないと、小沢健二さんが世界で録りためた音を聴きながら
思いました。自分にはどんな音が影響しているのだろう。
まだ誰もやったことのない展覧会がここに。
15日まで、パルコです。
おそらく、この会場に届けられたと思われる手のひらサイズの
メッセージも。満たされる時間でした。
帰り道、これまで訪れた旅の景色の、街の音を思い出してみました。
時が経って薄れかけていた思い出も
音を思い出すことでもう一度鮮やかに蘇ってきました。
不思議な感覚です。