大宮エリーさんの個展『思いを伝えるということ』展が
せんだいメディアテークで開かれています。
触れる、感じる、仕掛けがいっぱいのインスタレーション。
歩を進めると詩だったり、ときどきつぶやきのような
言葉に会うことができる展示になっています。
思ったことを伝えよう、せっかく思ったことを伝えないと
”なかったこと”になってしまう。大切な気持ちはきちんと
伝えよう、そんな思いを展示しているのが今回のコンセプト。
映画監督であり、作家であり、脚本家であり、CMプランナーであり。
たくさんの肩書きを持つ方だけれど、同時にどの肩書きにも
おさまらない『大宮エリー』さんというジャンルなのだと思ってしまいます。
言葉のプレパラートが私はとても好きでした。
いくつもあるプレパラートから一つを選び
顕微鏡でのぞいてみる仕掛けです。
顕微鏡なんて、プレパラートなんて
触るのも何年ぶりでしょうか。それだけでわくわく。
そして顕微鏡をのぞいてそこにあったひとこと。
これが私が引き寄せた言葉だとしたら、
いい言葉に出逢えました。
『思いを伝えるということ』展の渋谷での開催のとき、
東北から来たひとが多く、その方々から地元での開催を
望む声が多かったことも今回の仙台開催のきっかけになったそうです。
あたりまえは何もない、今は二度とない。
それを2年前、思い知ることになりました。
だからこそ、いま”思いを伝える”とは。
もしこの個展がスーパーポジティブな人から発信されていたら
これほど響かないのだと思います。
”元気がないときは電話にでないタイプだった”と
インタビューで言っていたエリーさん。
わかるなぁ。
でも、見終わったら、電話に出ちゃうかも、いまたとえば
元気がなかったとしても。
『大宮エリー』さんというジャンルレスの才能あふれるクリエイターが
優しい気持ちで作ったら、こんな空間になるのだと思いました。
9日まで。
一人でも、ふたりでも、みんなとでも、観にいってみてください。