高校からの仲良し・ななちゃんの実家がある村田町。
大学生の頃、免許とりたてのななの運転で、
スピッツを聴きながらななの実家に泊まりがけで行ったものです。
ななの家族があたたかく迎えてくれて、
”洋食やさん”とよびだくなるレストランでたべた
コーンスープがおいしかったことを今でも思い出したりして。
そんな楽しい思い出がいっぱいある蔵の町・村田へ。
今日は創業天保十二年の
『かねしょう商店』におじゃましてみました。
1階のお店にはマッチや椿油などレトロな雑貨が。
金物や食器も昔なつかしい道具の趣があり、
一歩入るとタイムトリップしたかのようです。
そして蔵の2階につづく階段をトントントンとのぼってみると
私設の博物館『かねしょうの時館(じかん)』になっていました。
村田町では震災の被害で40棟近くの蔵が解体を余儀なくされました。
かねしょうさんの蔵も2棟解体することになり、整理していたところ、
6代続くかねしょうさんの歴史で蔵の中にしまい込まれたものや、
かつて商品としてお店にならんでいたものが出てきたそうです。
そこで、2011年の7月までに宮城大学の学生さんの
協力を得て整理し、私設の博物館としてオープンしました。
江戸時代の焼き物・大正時代の真空管ラジオ・昭和の足踏みオルガン。
時代を超えた味わいのあるものばかりがならんでいました。
お話を伺った大沼悦子さんはご自身のお父さんや
村田の商人の方々の生き方を調べた著書もあります。
その中で紅花の仲買をされていたご先祖さまがのこした
『家訓』を見つけたのだそうです。
そこには『正直に商いをすること』『先祖を敬うこと』などのほかに、
『質素倹約をして、もうかったお金で地域貢献をすること』と
書かれていたのだそうです。
”この博物館も、なつかしい気持ちになってもらえたら、
ちいさな、地域貢献になるかと思って”とひかえめに語る大沼さん。
震災でつらい思いをされていた女性たちが、
オルガンを弾きながら”ふるさと”を歌ってなつかしいといいながら
涙を流していたこともあったのだそうです。
ひとを元気にするものは、何も未来にむかったプランばかりではありません。
むしろ、それは思い出の中にこそ。
わたしも少し弾かせていただきましたが足踏みオルガンは
とてもあたたかい音がしました。
見たい、という方はお店で声をかけてみてください。
入場は無料で、時間が合えば大沼さんがいろいろお話して
くださると思います。