今週の「みなさんぽ」は県漁協
志津川支所 戸倉出張所 カキ部会・部会長の
後藤清広さんにお話を伺いました。
部会長になって6年目の後藤さん。
カキ部会の会議の直前におじゃましたので、
メンバーのみなさんが窓の外に続々と...
中には以前お会いした方々が
"なんだべ?取材か?"と覗き込んでいる顔も見えて(笑)
私も"ホーム"な気分でお話を伺いました。
「南三陸戸倉っこかき」の
ポスターにも映っているのが、全員で37名がいらっしゃるという
カキ部会メンバーのみなさん。
若い方もたくさんいらっしゃるなぁと思って聞いてみたら、
震災後離職して一時違うお仕事をされていたものの、
ASC認証の取得を機に浜に戻ってこられた方や
高校卒業後、新規に就業された若い漁業者の方も
いらっしゃるそうです。
ASC認証という国際認証は水産養殖管理協議会によるもので、
環境や地域社会に配慮した養殖業だけが
取得することができるもの。
震災からの復興を考えるとき、どうしたら次の世代に
よりよい漁場を残していけるかを考え、
震災前およそ1000台あった養殖いかだを300台にまで削減し、
組合員が共同で経営管理に取り組むことを決断しました。
品質や生産効率のよい養殖を行うための取り組みが功を奏し、
以前は2年から3年かかっていたものが、
1年で品質のよいカキが取れるようになったのです。
どれだけ間引くかは試行錯誤だったそうですが、
一年で生産できる間隔をさぐっていった結果、
これまでの台数の3分の1になりました。
震災前3年で15グラムほどに育っていたカキは
台数を減らしたことで、4、5ヶ月で20グラムほどに
育ったのだそう。
カキを見て、味を確かめたうえで、後藤さんは
この方法を確信したということでした。
ちなみに一台のいかだからはおよそ10万個のカキができます。
"これまでは殻だけつくってきたのかな。
一個一個品質を大事にして栄養たっぷりのカキを
作ることが大切だな"と思ったという後藤さん。
ベテランがこのような思いで作ったカキの味が
楽しみで仕方ないですよね。
後藤さん自身もASCの存在を知ったのが4年前、
そして取り組みはじめたのは2年前でした。
認証までの項目の細かさや規制の多さにびっくりしたのが
本音だったそうですが、
持続可能な漁業を目指した後藤さんたちの思いと
ASCの理念が一致していたことが目指すきっかけになりました。
また、今年夏のリオオリンピックでも認証の食材を使うという
正式な発表があり、東京オリンピックでも認証の
食材が使われていくだろうということも、
仲間の漁業者の方々の思いをまとめる大きな機運となりました。
ネーミングには「戸倉の子どもたち」という意味が込められていて
子どもたちを育てるような気持ちでたいせつにつくられました。
ASCの認証が3月30日だったので、
この秋が本格的なお披露目!
10日から出荷がはじまったばかりです。
栄養豊富な「南三陸戸倉っこかき」を、ぜひ味わいたいですね!