日本橋のコレド室町にある京都の和菓子やさん
『鶴屋吉信』。
お茶の時間をすぎて、夕食の時間にさしかかっていた
こともあり、座ってみたかったカウンターにすんなり
座ることができました。
お寿司屋さんを思わせるようなカウンター席は7席あって、
熟練の職人さんが目の前で和菓子を作ってくれるのです。
かつて、番組で共演した日本語の達者な、
イタリア人シェフのロベルトさんと天ぷらやさんに取材に行ったとき、
「カウンターでシェフの仕事が見られるのは日本食の文化だよ」と
教えられました。世界を旅したロベルトさんによるとバーカウンターは別として、
料理をつくるのを見ながら、というのは日本食独特だと。
お寿司や天ぷら、小料理屋さん、居酒屋でも、
カウンターでは間近にプロの手仕事を見る事が醍醐味ですよね。
今回の和菓子屋さんではなかなかないスタイルですけれども。
そんなロベルトさんの言葉を思い出しながら座っていると
3種類の季節の生菓子のサンプルをみせてくれて、私は
そのなかのひとつ鮮やかな「千代椿」を選びました。
職人さんの手の中の茶巾で丸められた餡が
椿色の餡につつまれ、その上から
竹串をつかって模様を。花びらのくぼみは
小指でつけていきました。
見とれる〜...
抹茶とのセットでいただき、
最後にはほうじ茶がついてきました。
焙煎方法が独特なのか、
まるでウィスキーのような香りと余韻のあるほうじ茶。
びっくりして、これは何のお茶ですか?と
聞いてしまいました。
選べる和菓子は季節に合わせて半月ごとに変わるそうですが、
今月は立春のタイミングで春のお菓子に切り替わったのだとか。
そんな季節の感じ方にうっとりしながら、
ほっとするひとときでした。