今年3月11日に発行された本、
「南三陸発!志津川小学校避難所」。
南三陸町の志津川小学校避難所は
震災当日から59日間に渡り、自主運営された避難所です。
避難されていた方が書き留めたノートと、その後の
インタビューを経て、記録の一冊ができあがりました。
3月11日から、「さよなら、避難所」の
タイトルが付けられている5月8日まで毎日の記録が記されています。
避難所の自治会メンバーとして力を発揮されていたのは
志津川地区の老舗の商店のだんなさんたちだったんですね。
ふだんから地域のみなさんにとって顔なじみのメンバーだったわけです。
そして、6年前の昨日3月28日のページを開いてみると
この日、志津川小学校の体育館では予定より16日遅れての
卒業式が行われました。
その前日に避難所となっていた体育館の大掃除を
したエピソードが紹介されています。
一日かかっての大掃除になる予定が、朝のうちには多くの町民の
みなさんがすでに荷物を整理したこともあり、
午前中には大掃除が終わったそうです。
「子供たちのために」「卒業式という晴れ舞台を準備する」この大事な
目標のために、避難されていた500人もの町民のみなさんが
見事なチームワークを発揮したエピソードがとても印象的でした。
体育館のステージには震災前に「おめでとう」の文字が
すでに用意されていたそうで、急遽避難所となってからも
この5文字は誰も外す事なく、そのままステージに飾られ
ついに卒業式を迎えることになったそうです。
混乱の中から自治会が結成され、
その後のさまざまな避難所での出来事を力を合わせて乗り越えて。
この一冊は志津川小学校に避難されていた方々から
未来へ送るメッセージとなっています。
「南三陸発!志津川小学校避難所」
明石書店から発行されています。