顔に見える木発見!
今週の「みなさんぽ」は
みちのく潮風トレイルの南三陸町ルート上にある
田束山で、南三陸海のビジターセンターの大渕香菜子さんと
待ち合わせをしました。
展望台のベンチにちょこんと座っている
かわいらしい女性がいると思って、声をかけてみたら
首からは双眼鏡とカメラをぶらさげ、長靴姿の
"調査スタイル"でした!
"山を歩く時は何がでてきてもいいようにこのスタイルです"
という大渕さん。
双眼鏡では鳥を見たり、木の葉をみて種類を判別したりしています。
大渕さんは「ぼたんちゃん」と呼ばれているのですが、
なぜかなぁ〜と思っていたらそれは
「ボタニスト(植物学者)」からきているんですね。
大渕さんと歩くと、何気なくみていた花が
ひとつひとつ際立って見えてくるような気がします。
名前の由来、香り、種の飛ばし方、仲間の植物まで...
でてくるでてくる!すごい引き出しです。
【猫の目草(ネコノメソウ)】
ちなみにこちらははじめてその存在と名前を知った、
ネコノメソウ。果実が出来ると2つに裂けて種が見え、
それが猫の細い瞳孔のように見えるのでその名が
つけられているそうです。
さらに、種の飛ばし方は『雨滴散布』。
種子を入れた皿に雨滴があたって、その勢いで種子は飛び散るのだそうです。
ぜひとも『雨滴散布』を覚えて帰ろう!と誓うディレクタ−とわたし。
世田谷生まれ世田谷育ちという大渕さんですが、
小学生の頃から植物が好きで、大学で植物や
森林生態学などを学びました。
震災後の植生を調査をする団体の調査員として
南三陸町に来たのが南三陸町との出逢いで、
その後何度も足を運んで調査を行い、
現在は海のビジターセンターの職員として活躍されています。
南三陸町の森林の魅力について
"海岸線から常緑樹林があって、
関東の山だと、上にいかないと見られない森林が、
海のすぐ近くの山で広がっていること。
コンパクトに植生の変化が見られるのが魅力だと思います"と
教えてくださいました。
「みちのく潮風トレイル」は
環境省が整備する青森県八戸市から福島県相馬市まで
全長700キロのコース。
南三陸町の区間は
海沿いも、里山、田束山も通るのが特長の、
多様なコースになっています。
体力に見合ったところを
切り取って楽しんでもOKです!
"この時期は日ごとに花がかわっていってしまうくらい
駆け足なので、毎日歩いていても全く飽きませんね"と語る
大渕さんのお話をきいているとなんだか植物の気持ちまで
聞こえてきそうな気がしてきます。
今の時期は新緑とオレンジ色のヤマツツジが綺麗ですよ!
一方で山歩きの際には
①登山道は道をはずれないで歩くこと
(踏まれると植物がいたんでしまう、土の構造がかわってしまう
靴裏から外来種の種子が入ったりもするそうです)
②ゴミは持ち帰ること
(悲しい気持ちになります!当然のルールですね!)
③クマ鈴を付けたり、ラジオをかけて入る
できればクマスプレーを持参してください
(クマも会いたくはありません!)
放送でご案内したウォーキングイベントは
大好評につき、受付修了しています。
海のビジターセンターでは南三陸町ルートについての
情報提供も行っていますのでぜひお立寄ください。
"ぼたんちゃん"こと、大渕さんはじめ、
スタッフのみなさん、本当に素敵な方々なんですよ!