今週の「みなさんぽ」はさんさん商店街の
『食楽 しお彩』におじゃまして
親方の後藤一美さんにお話を伺いました。
カウンターと、ロールカーテンで仕切ることができる
テーブル席、そして和室の個室あわせて
30席のお店。お店のつくりからも
ゆったりさせてもらえる空間ということがわかります。
オープンからもうすぐ4ヶ月。
待ちわびた 、たくさんの方が「しお彩」を訪れています。
入り口からすぐの所には
色紙と額縁が貼ってあるのですが、どちらも
震災以前に常連のお客さんから贈られた言葉で、
後藤さんが大事にしてきた言葉です。
額縁のほうは実は写真を引き延ばしたもので
もともとはお店の奥座敷に飾っていたものでした。
震災から1年経った頃、「仙台のしょうじさん」と
いう方が届けてくれたのだそうです。
そのしょうじさんは、かつて家族でしお彩を訪れ、
親方のお料理を味わったあと、
額縁にかざってある言葉に共感して、その額縁の前で
家族写真を撮ったのだとか。
震災でお店が流されたことを知り、家族写真に
写っていた額縁の言葉を引き延ばして、
額装して、親方の仮設住宅に届けてくれたのだそうです。
"また店をオープンさせる時にはお店に
必ず飾ります"と約束した親方。その約束通り、
『四季の味 笑顔 笑顔のかけ橋に』という言葉が
出迎えてくれるのです。
実は、つい3週間前に、
しょうじさんご家族が新しいお店にいらしたそうです。
5年ぶり...涙の再会だったと親方が教えてくださいました。
震災後、親方は、仮設商店街には入らず
お惣菜の移動販売で地元のみなさんにおいしいものを
提供することを選択しました。
それまでの得意分野のお料理はいったん封印して、
買い物をする場所がない、仮設住宅の限られた台所で
揚げ物も難しいということに思いを馳せ、
毎日料理をするお母さんたちをサポートするような
ふだんのおかずを提供しつづけてこられたのですね。
"今できることは何か"と考えた結果、とおっしゃって
いましたが、キッチンカーでの
寒さ暑さを考えるだけでも
並大抵のことではなかったと思います。
"いろんなひとの想いが詰まって、そして励ましもあって
第二、第三のスタートに立てた"とおっしゃる親方。
新しいお店のオープンとともに登場した
『たこつぼラーメン』と、『つぼつぼセット
(たこつぼラーメン&たこ飯)』は新たな看板メニューになっています。
たこつぼに見立てた器でだされるラーメンの上に
たこが乗っているのがまずびっくり!
たこのつみれ付き!
塩味のさっぱりしたスープに細麺がおいしい!
たこ飯は"なんで、こんなに、おいしいんですか?"と
インタビュアーとしてはない質問(笑)をしてしまうほど、
我が人生で一番おいしいたこ飯でした〜〜!!
つぼつぼセットの評判も上々。連日完売です。
もちろん、親方の絶品海鮮丼も、
この時期はキラキラウニ丼も味わいたい!
『食を通して南三陸町に貢献していきたい。
あそこにいけばおいしい料理がある!と
思っていただけるような場所、
商店街を代表できる旗頭になれるように
がんばっていきたい!』と夢をお話くださいました。
親方とお話をしていると、ひとを大事にする想いが、
丁寧でおいしいお料理にそのままのっているんだな、
と強く感じました。
親方のリクエスト曲はBENIさんの"Darlin"。
大好きな曲で親方の携帯の着信音にもしているそうで、
きっと今日も予約の電話とともに鳴っているんでしょうね!