フィンランドの独立100周年を記念した企画展が
クリスマス・イブまで宮城県美術館で開かれています。
福岡、愛知、福井、東京とめぐって宮城へ。
独立以前の装飾芸術から現在に至るまでを
展示していて、企業やデザイナーにスポットをあてた内容に。
"その時代を生きる人の心や暮らしをより豊かにするもの"
というデザインの考えが、普段のくらしで用いられる
椅子や食器やテキスタイルに現れた姿はまさに"用の美"。
20世紀の初頭からすでに"サスティナブル・デザイン"や
"タイムレス・デザイン"が実践されていたのだとか。
自然豊かな森と湖の国ならでは、なのかしら。
自然と人間の調和が源にあるという、シンプルで美しいデザイン。
アアルト、カイ・フランク、マイヤ・イソラ...
見ていて楽しいに決まってます...
図録の中で、デザイン評論家の
柏木博氏がフィンランドのスタイルについて述べています。
北欧のなかでもフィンランドは最も貧しかったそうで、
その貧しさがむしろ豊富な色彩と形を生み出したという
見方があるのだそう。
そして美しく機能的な北欧のスタイルが
1950年代にアメリカの批評家や消費者に支持され、
日本においても1950年代に雑誌"工芸ニュース"でさかんに取り上げられ
北欧のデザインがその時に日本のデザインのひとつの指針と
されたのだそうです。
現在でも活躍するアーティストへの
インタビューも展示されていて、
質問項目とそれに対する答えがまたユニーク。
自分が覚えている最初の記憶は何?
デザインといって最初に浮かぶのは?
自分がデザインして手作りした一番小さなものと大きな物は?
自分の作品の中で、一つだけ購入するとしたら?
森に行く時、何をもっていきますか?
ボールチェア(実際に座ることができる場所も)
でも知られるエーロ・アールニオのインタビューが
一番面白かったです。
ちなみに、デザインしたもので一番小さいのは
フィンエアーで使う『つまようじ』だそうです。
いつか乗ってみたい、フィンエアー!