南三陸町のネイチャーセンター準備室の
博士、阿部拓三さんに先日お話を伺いました。
インタビューの最後に
拓三博士がリクエストしてくださったのは
原由子さんの『花咲く旅路』。
学生時代、北海道から沖縄までヒッチハイクで旅をしたことがあり、
旅の途中、咲いている花も
飛んでいる鳥も、季節も、土地の食べ物も変わっていきました。
その中でそれぞれの地域の宝に気付いて
将来は地元・宮城の宝を伝えるような仕事に就こうと
思われたのだそうです。まさに、研究や教育に携わろうと
心にきめたとき、カーラジオから流れてきた曲なのだとか。
熱心に研究をされている拓三博士のこころにも、
子どもたちに伝えるときのやさしいまなざしの原点にも
この曲があるのですね。
拓三博士も、そして、あの、さかなクンも講演を行う
『ラムサール条約シンポジウム』が
今度の土曜日に行われます。
さかなクンは震災前から調査にも参加していて
南三陸の海の魅力をお話してくれるんだギョ!
南三陸町では、今年10月にドバイで開催される
締約国会議において、志津川湾の貴重な藻場の
ラムサール条約湿地への登録を目指しています。
志津川湾の特徴はその海洋環境にあり、
寒流と暖流が混ざり合うエリアの中心にあることで
多様性豊かな海が形成されています。
特に寒流由来のマコンブ、そして暖流由来のアラメの、
広い海藻の森・藻場を作る両方の種類がみられるという点が、
貴重であり世界的に注目をあびているのだそうです。
ラムサール条約の正式名称は実は長いんです。
『特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約』。
藻場は、様々な生き物の餌を提供するとともに
すむ場所であり、隠れ家になります。また卵を産みつける
ゆりかごの役割も。人間にとっても豊かな恵みを与えてくれる
存在ですし、藻場を保全することはコクガンをはじめとする
水鳥たちの生活域を守ることにもつながるのだそうです。
ラムサール条約の柱は
自然を守るだけでなく、自然を上手に利用しながら交流や
学習に生かすというもの。
他に、講演では、おおさき生きものクラブのみなさん、
志津川高校自然科学部の生徒さんも登壇。
ラムサールセンター事務局長の中村玲子さんも講演されます。
中村さんは日本の登録湿地同士の子どもたちの交流事業を
長年展開されてきました。
いろいろな地域の自然環境の宝を探しながら
子ども達の教育と交流を情熱をもって進めてこられた方で
日本人ではじめてラムサール賞という国際的な賞を受賞されました。
そして午前中から
コクガン観察会やワークショプも行われます。
入場無料。
さかなクンに会いたい方もぜひ!
【南三陸町ラムサール条約シンポジウム】
日時:1月20日(土)
10時30分〜コクガン観察会、ワークショップ、ポスター展示
13時40分〜第一部 講演会
■南三陸ネイチャーセンター準備室 阿部拓三博士
■志津川高校自然科学部
■おおさき生きものクラブ
■ラムサールセンター事務局長・中村玲子さん
15時〜第二部 講演会
■さかなクンのギョギョッとびっくり
南三陸のおさかな教室
場所:南三陸町ベイサイドアリーナ
(南三陸町志津川字沼田56番地)