初雪
昨日、初雪が観測されて、
今朝は、雪化粧の朝を迎えました。
うっすらとではありましたが、
雪が積もると、音が吸収されて
しんとした、凛とした日曜日の朝です。
初雪が覆った朝のうつくしさに、うっとりしながら、
"あ〜いやだ、寒くなるのが、嫌すぎる"と
冬の悪口を言いすぎてしまった、と反省。
見慣れた景色を、新鮮に真っ白く染める雪。
その雪の下で甘くなる冬野菜は、鍋をおいしくします。
"鍋しよう"の声で楽しい仲間が集まる冬のテーブル。
冬が寒いからページェントのオレンジ色の灯りにほっとするのだし、
冬は長いけど、長いから、春が来るのがとっても嬉しい。
冬の恵みを、いっぱい受けているはずなのに。
ことしは、意識して、冬を楽しみたいです。
先日、今年の秋には映画も公開された
森下典子さんの著書、「日日是好日」を読みました。
20歳の時にお茶を習い始めた著者が、四半世紀にわたって
茶道と向き合い、過ごす中で、気づき、成長していきます。
細かいルールだらけで、何のためにやっているかわからない作法だらけとの世界と
思っていた茶道が、実はひとつひとつ理にかなっていて、斬新であり、
春夏秋冬の自然や生き方を教えてくれる世界へと変わっていく様が
丁寧に描かれています。
読んでいる者は、日常にあふれている、でも見逃してしまいそうな奇跡に
目をむけていくことになるような一冊でした。
本の中で、雪の日や冬についての記述もあり、
五感で味わう表現が心にのこっています。
"雨の日は、雨を聴く。
雪の日は、雪を見る。
夏には暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう"
どんな日も、その日を思う存分味わうことこそが
茶道の生き方なのだそう。
そうやって生きれば、
まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても
その状況を楽しんでいきていけるかもしれない、というものでした。
"世の中は、前向きで明るいことばかりに価値をおく。
けれど、そもそも反対のことがなければ、「明るさ」も存在しない。
どちらも存在して初めて、奥行きが生まれるのだ。"とも。
なるほど、この考え方に沿うと、晴れの日を「いい天気」といい
雨の日を「悪い天気」というのは違うんですね。
どんな日も、思う存分味わう。
そう思えば、寛容さも生まれてくるというもの。
そして、味わおうと、くるっと見渡してみれば、
さりげなく、必要な気づきがそこにあるのだと思います。
【ふゆの恵み】
"あるがままにね"っていう言葉を
さらりと言えるのがすてきなところ。
手作りのカリンジャムがとびきりおいしい!