東日本大震災から9年となる
3月11日を迎えました。
映像が残っているからこそ、伝わるものがある一方で、
インパクトを残す映像以上にこころに残るのが
言葉だなと思います。
そこで生きるひとの言葉や、
生きたかったひとの遺した言葉。
あるいは、真摯に伝えようとする言葉こそ、
ずっと心に残ります。
今年になって沿岸部の街を訪れたとき。
新しくできた商店街は洗練された創りになっていて
おしゃれな街になっていました。
でも、そこで会った地元のお父さんは
商店街にならぶ建物の庇の形が
海に向かって泣いている顔のように見えるんだ、と言いました。
お父さんは9年の時をどんな気持ちで
過ごしてこられたのかなと思いました。
たしかに震災前とは全く違う見た目になったけれど、
街の歴史はずっと続いていることを意識しなければなりません。
これから、伝えていく言葉をどう持ち続けるか、向き合っていきます。
宮城で暮らす者として、そしてラジオ制作に関わるひとりとして。
東日本大震災で亡くなられた方のご冥福を
心からお祈りします。
そして。
震災から1年目とも、2年目とも、8年目の去年とも
また違う気持ちで迎える3月11日ですが、
思いもよらなかった試練がいま、日本を襲っています。
うその情報や、ひとを追い詰めたり、こころを傷つける言葉が
世の中を埋め尽くすのは悲し過ぎます。
ネット上の混沌を目にするとき、
ほんとうに、言葉の重みに気づくべきだなと思うのです。