祈り
東日本大震災から10年目の3月11日を迎えました。
思うことがたくさんあって、毎年この時期は
ほんとうに、心の中がぐじゃぐじゃ。
情報をみて、ニュースをきいて、言葉にふれて、
勝手にすり減るな、勝手に悪いようにとるな、と
自分に言い聞かせることもあります。
あの時、津波に破壊された街をみて、
自分が生きている間には
もう"観光"なんて無理だろうと思いました。
景色をみて、きれいだと思うことも、もうないだろうと。
それでも。
いまその場所を訪ねれば
花が咲き、ひとが集まる場所ができて、
震災後に生まれた子どもが公園で
ブランコをこいでいたりします。
10年という時間で、ひとが生み出してきたものがあり、
10年という時間だけが、癒した気持ちもあったと思います。
"壮絶"をこえる経験をした方にも
お会いしてきました。
それでも、言葉を紡いでくださった
教えてくださったあなたを、尊敬しています。
どんなに辛いことがあっても、
どんなに理不尽が覆い尽くしても、
人生は前にだけ、進んでいきますね。
どこまでも落ちていきそうな時、
共に前を向いてくれた友達と仲間がいました。
何度も手をさしのべてくださった、
先輩や恩人のみなさんには一生、感謝の気持ちです。
そして、喪失感を抱えながら
ひととのつながりや、誰かへの親切や
あたたかいものを生み出した
ふるさとを誇りに思います。
東日本大震災で亡くなられた方の
ご冥福をお祈りします。
亡くなられたあなたとの思い出によって
いまを生きるあなたの大事なひとの
心が守られますようにと、祈ります。