内容もさることながら、
その熱量が、いまも心に残っています。
新聞で、植物生態学者の
宮脇昭先生がお亡くなりになられたことを知りました。
岩沼の「千年希望の丘」での植樹祭の際、
どこかで座ってインタビューを、と思っていたのですが、
長靴を履いてどんどん登っていく宮脇先生に
息を切らしながらついていくことになったのは
私のほうでした。
震災後、宮脇先生が行われた調査では、
土地本来の植生で構成された自然林に近い森が
大津波にも流れずに耐え、その背後にあるもの多くのものを
守っていたそうです。また、土地本来の樹種を
混ぜて植えることにより森は天然更新し、
人の手で管理する必要がないのだとか。希望の丘でも
もともとそこにあった木々が20種類近く植えられました。
1000年に一度の大震災のあとには
どんなことにも複数の意見があって
宮脇先生の提唱する方法にも
対する意見があることを知っています。
でも、あの大震災の後のあの景色を知りながら
ひとびとを牽引し、
自然の力を知り尽くした先生の熱量は
ものすごいものがあると思いました。
"生物学的には120歳まで生きられるんだ、人間は"と
おっしゃっていたお元気な先生の言葉には説得力があって
その後も精力的に活動をされてきました。
"この森は9000年生きる"ともおっしゃっていた宮脇先生。
先生の思いとともに
千年希望の丘が、宮脇先生が手がけた森が
生き続けていくことでしょう。