ここ数年見たレジェンドといわれる人の一生を描く映画は
過度なお酒やドラッグ、人間関係で苦しむ姿が明らかになり、
見ていて最後は苦しくなるものが多かった気がするのですが、
オードリーは大スターとしての苦悩も、
ひととして誰もが抱えるような困難も、
力に変えて愛に生きた人でした。
スクリーンの妖精、オードリー・ヘプバーン。
初のドキュメンタリー映画が公開中です。
"アーモンド型"の大きな目に吸い込まれそうになりますし、
ジバンシィのドレスを纏った数々のシーンは
画集をめくっていくように鮮やかであり
見ていてしあわせなため息がでます。
オードリーの精神性を表すような
バレリーナの映像が挟み込まれるのも印象的でした。
第二次世界大戦下で過ごした幼少期が
彼女の生き方に色濃い影響を与えたことが
明かされていますが、もし、オードリーが生きていたら
この2022年はどんなふうに映るのでしょうか。
ユニセフの国際親善大使として、
自身の影響力を世界中の子どもたちのために
使うと決めて全力を傾けていたオードリー。
おそらくは人生の残り時間も知りながら駆けていたであろう
晩年の姿は、さながら天女のようでした。
天性の美しさに、内面の美しさを重ねていった
オードリーの笑顔を世界はずっと覚えています。