JR東日本の新幹線車内誌「トランヴェール」での連載が
好きで、連載をまとめた単行本が出た時にも、すぐに
手にとりました。沢木耕太郎さんの初めての旅は
16歳の時で、行き先は東北だったそう。
第二弾の国内旅エッセイ集を見つけて
一気に読みました。
土地の情景がありありと浮かんで、ガイドブックをなぞらない、
"隙間"のある旅の醍醐味を味わえるような一冊です。
あとがきにあったことば。
この2、3年多くの制約の中で生きてきたわたしたちに
そろそろ飛び立つことのできる季節が訪れたような気がする、と。
もちろん、「自由に旅ができる」と無邪気に祝するという意味ではなく、
無難を求めて大勢に盲目的に従わず、自らの
責任において行動を決する。そんな習慣が身つくとすれば
この災厄にも意味があったということになるかもしれない、と。
自由に移動できるありがたさを知ったあとの、旅。
新鮮な喜びに満ちるであろう、次の旅のプランを
あれこれめぐらせてみます。
"隙間"を埋めそうになる癖を抑えながら。