このお盆期間に、1.4倍速再生で見終わったシリーズが
あります。"知っておくべき"資料としての見方とはいえ、
作品に対して申し訳ない気持ちにもなっています。
「作品を鑑賞」ではなく、「コンテンツの消費」に
なるそうです、こういう場合。
「東京ポッド許可局」でのトークを聞いて
ずっと気になっていた一冊を手にとりました。
著者は、1974年生まれのライターでコラムニストの
稲田豊史(いなだ・とよし)さん。
映画配給会社を経てDVD業界紙の編集長などを経て
独立された方で、言うなればずっと映像の仕事を
されてきた方ということになります。
その稲田さんが、「なぜ映画や映像を早送り再生しながら
観る人がいるのか?」という疑問から始まり、
やがて社会の実態を深く掘っていくことになります。
結論からいうと、すっごく、面白い一冊でした。
わざわざ言葉にしないけれど、
なんとなく感じていたドラマ作品の"違和感"に
対して、答えがでたような考察もありました。
Z世代(現在の10代後半から20台前半)には
ネタバレ消費とも呼ぶべき習慣が根付いているそうです。
「観たい映画や今度行くライブの中身、友達に
渡す誕生日プレゼントなど、何でも事前に
『ネタバレ』することがトレンドになっている」のだとか。
"最初と最後がわかればいい"
"タイパ(タイムパフォーマンス)重視"
"回り道はストレス"
"嫌いといいながら"好き"は通じない"
もちろん誰もがそうとは思いませんが、
実生活で感じていたことも重なるシーンがあったり、
読み進めれば、なるほどという考察の連続でした。
ジェネレーションギャップという
言葉だけで片付けるものではないなと思うことばかり。
いろんな世代のひとと感想を話してみたくなる
一冊であり、その感想を聞いて、また
考えてしまいそうな一冊です。