切り絵作家・柴田あゆみさんの個展
「かみがみの森」を見てきました。
壁面いっぱいのサイズから
小さなガラス瓶に収められたもの、
そして綴じ本に切り出された世界と
大小もさまざま・趣向もさまざまな
切り絵の世界に魅せられました。
途中に創作風景を紹介する映像が
流れていたのですが、
柴田さんの手には1本の切り絵ナイフ。
その柴田さんがちょこんと座っているのは
畳何畳分もある大きな紙です。
パッと見て1本のペンと大きな紙の間のギャップというか、
あまりにも隔たりがあるように感じて、
完成までにどれほどの時間がかかるのだろうと思ったら
気が遠くなりそうでした。
でも、見ているうちに、創作に費やされる時間も
すごいはずだけれど、でもその何百倍、何千倍
何万倍の時間の物語を表現してしまうことこそ、
すごいのだと気づきます。
それは、作品のモチーフが
生命の進化を感じさせるもの、樹木の年輪や
はりめぐらされた根っこ、はたまた
人間の体の内側など、途方もないもの・
壮大なものがモチーフになっていているんですね。
人間の時間を生きながら
壮大な時間を浮かび上がらせる柴田さんは
もうひとつ別の時間軸をお持ちなのかもしれないと思いました。