アカデミー主演女優賞に輝いた
エマ・ストーンの憑依っぷりは、圧巻!
天才ヨルゴス・ランティモス監督が魅せる
映画「哀れなるものたち」をやっと見てきました。
エマ・ストーン演じるのは、
天才外科医によって蘇った若き女性ベラ。
未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出ます。
時代の偏見から解き放たれ、
平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる...というもの。
おすすめしてくれた人の
「感想を言いにくいけど、感想を聞きたい」という言葉が
わかりました。なぜなら、私もそんな気持ちになったので。
倫理的に許されない人体改造のシーンで
まさに「ゴッド」、神の領域に踏み込み
何ひとつとして予測できないまま、最後まで
ストーリーが進んでいきました。
とんでもないけど、どこか憎めない、ひと・ひと・ひと。
皮肉と本音。男性と女性。大人と子供。
人間と動物。真心と下心。
カラーとモノクロ。内と外。抑制と解放。
雄弁な音楽と、全部のシーンで見惚れた衣装も、
美術も突き抜けていました。
哲学であり、ファンタジーであり、ホラーであり。
でも本当は全部、ベラの夢の中だったのかもしれない。
没入するには映画館の空間が必要です。