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MOVIE アーカイブ

2008年10月21日

P.S.アイラヴユー

大画面であんなに鼻血顔を見せられるのは
アンドリューW.Kかこの人か、ではないでしょうか。

ヒラリー・スワンク主演の映画
P.Sアイラヴユーを観ました。

ヒラリー・スワンクの演技、というか目には
毎回ひきつけられてしまいます。
今回彼女が演じたのは今の私と同じ歳の女性で、
亡くなった夫からの手紙が届くというストーリーでした。
唇がカサカサになっているシーンがあって、
それがものすごく悲しさを伝えてきて、この人は
全身女優だなぁと思いました。

正直、もう少し説明が欲しいところがあったり
ストーリーの展開にはときどき置いてきぼりにされた部分が
あったけれど。

でも見終わって手紙を書くということが
なんだかとっても素敵な行為に思われました。
自分がもらった大切な手紙も思い出しました。

これまで自分が書いた手紙も思い出しました。
時には自分の気持を整理するために。
時には相手に本当に元気になってほしくて。
時にはただ相手に似合う絵葉書が見つかったから。

そういえば、そろそろ私の中の
『手紙を書きたい人リスト』がいっぱいになりかけています。

今夜はゆっくり手紙でも書いてみますか。

2008年12月11日

マンマ・ミーア!

番組終わり、反対方向の地下鉄に乗ってしまった!!
慌てすぎです。

仙台フォーラムで行われた
映画「マンマ・ミーア!」の試写会に行って来ました。

ABBAの音楽が全編に使われた舞台の映画化。

結婚を控えた娘が自分の父親を探すために、母親の日記から見つけた
3人の男性を自分の結婚式に呼んでしまう。
何も知らない母親は昔の男3人を目の前にしてパニック。

結局父親探しが進まないまま、ドタバタの中で結婚式当日がやってくる・・・
というストーリー。
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ギリシャ・ロケが行われたシーンのまばゆいうつくしさ。
出演者の衣装をふくめて、色使いの美しさにも
目を奪われました。そして何より、音楽。
「ダンシング・クイーン」の歌われるシーンでは最初
メリル・ストリープ演じるドナの寝室からはじまるのですが、
村の女性たち、村全体の景色を巻き込んでひろがっていく
ナンバーになっています。観ている人たちの心まで一緒に
歌わせちゃうようなシーン。思わずスタンディングオベーションを
送りたくなってしまいました。
それにしても
メリル・ストリープって本当に何をやってもすごい女優さんだと思います。

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アメリカでは「一緒に歌いたい。歌詞があったら歌えるのに・・・」という
お客さんの要望に応えて公開後に急遽
「カラオケ(Sing-a-Long)バージョン」を上映したそうです。

歌いたくなる。
その気持がわかります。

週末に見るなら、こんな華やかな一本がいいと思います。
全国ロードショー公開は来年1月30日です。

帰り道、TSUTAYAでABBAのベスト借りちゃいました(単純!!)
"THANK YOU FOR THE MUSIC"

2009年1月 8日

天国はまだ遠く

瀬尾まいこさんの小説が映画化、それだけで気になりますが
秋に録音でのインタビューをお届けした
熊木杏里さんがエンディングテーマ「こと。」を
歌っていることでさらに気になっていた映画でした。

仙台フォーラムで「天国はまだ遠く」を観てきました。

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山奥の民宿で自殺を図るも失敗し、少しずつ
生きる喜びを取り戻していく女性を加藤ローサさんが、
民宿の青年をチュートリアルの徳井義実さんが演じる作品。

ローサちゃんの食べっぷりがよくて、
もぐもぐしている顔がかわいくて和みます。
徳井さんはテレビのフリートークでみるとぼけたおしゃべりと
同じトーンだけれど、でもなんだか孤独感がにじんでいい演技。

景色がゆったりしていて、人の呼吸が伝わってくる映像です。
セリフは少ないけれど、しぐさや表情から感情を
読み取る時間を十分に与えてくれる流れでした。

うつに苦しんだり、精神的に追い詰められる人が珍しくない時代。
自分自身で選んだ刺激のある生活が時にひどく
人を疲れさせることがあるのではないでしょうか。
そんなとき、どうやって元気を取り戻すことができるか。
とってもシンプルなことをこの映画は教えてくれるような気がします。
でもそのシンプルなことをすぐに忘れちゃうし、
なかなかできないんだよなぁ、きっと。

すぐには行動できないからこそ、心にこんな
素敵な景色を描かせて、次の休みにいい空気を吸いにいこうか、
美味しいものでもゆっくり食べるか、なんてちいさな休みに思いを
馳せてみたり。

余韻を楽しめるラストシーンが好きでした。
熊木杏里さんの「こと。」はそのシーンに良くあっていて。
後半の描き方、小説ではどんな味わいになっているのかな。
原作を読んでみたくなりました。

2009年1月19日

チェ 28歳の革命

二十世紀に名をとどめる革命家
チェ・ゲバラの生涯を二部作でスティーブン・ソダーバーグが
描いた大作の前編が公開されています。

今でも中南米では絶大な人気を誇るチェ・ゲバラは
もともとは医師、その後革命家、軍略家、政治家とたくさんの
顔を持っていました。
この複雑で才能豊かなカリスマを
演じるベニチオ・デル・トロはとても説得力があり
引き込まれました。

前編の「チェ28歳の革命」では
メキシコシティでのゲバラとカストロの出会い、
そして革命戦争中のこと、
また1964年の国連総会でキューバ代表として演説する様子が
行ったり来たりしながら描かれています。

国連総会での演説の迫力と、そしてモノクロ映像が
まるでニュース映像のようで緊張感を生んでいました。

ゲバラとカストロの歴史的な出会いがもっともっと
ドラマチックに描かれているのかと思っていましたが、
あくまで淡々としたタッチで描かれていたように思います。

強い信念のもと、世界を変えようとした
半世紀前の28歳のカリスマ。その、生き様。

後編は「チェ 39歳 別れの手紙」
1月31日公開です。


2009年2月 8日

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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2009年2月17日

少年メリケンサック

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宮藤官九郎監督作「少年メリケンサック」を見てきました。

宮崎あおいちゃんの喜怒哀楽が鮮やかです。
最初バンドのメンバーから散々な扱いを受けても
カラッとした演技で切り抜け、小気味いいのです。
コメディエンヌとしての才能を開花させた一本に
なったのではないでしょうか。

キャスティングがはまっているし、
時代を築いたミュージシャンがちょこちょこ出てくるのも
見所です。

そしてZAZEN BOYZ向井さんが担当している音楽。
それだけでも見たくなります。
サントラ盤では映画の中でバンドがまわる土地それぞれの
「ニューヨークマラソン」が収録されていたりします。
そしてエンドロールで流れるあの曲のデュエット・・・!!

クドカンワールドに振り回されて
笑いっぱなしの2時間です。

あ、キム兄の東北弁も見所です。

2009年3月24日

フィッシュストーリー

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2009年4月23日

スラムドッグ$ミリオネア

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2009年8月 3日

ボルト

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予告編を見たときから、
気になっていたディズニー映画「ボルト」を
見てきました。

3Dめがねをかけて映画を見るのは
初の体験。キャラクターが飛び出てくる!
すごい躍動感です。
最初は少し酔いそうになりましたが
慣れてしまえば、エキサイティングな経験。

ハムスターのセリフに泣くとは思わなかった!!

今週水曜日には
日本語版のエンディングテーマ
"同じ空を見上げてる"を歌う
甲斐名都さんがBe-POP♪に生出演します。

曲ができるまでのお話とともに
「ボルト」トークもしたいと思います。

2009年9月15日

パンドラの匣

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先日、映画「パンドラの匣(はこ)」試写会に行って来ました。

去年11月南三陸町の清水小学校など
県内で撮影が行われた話題の映画です。

原作は今年生誕100年の太宰治の小説で、
昭和20年に河北新報に掲載されました。
 
この作品は結核療養所が舞台であることから,
チケット売上の一部が結核予防会へ寄付されるそうです。

「パビリオン山椒魚」の冨永昌敬監督が美しい映像で描く映画。
芥川賞受賞作家でありミュージシャンでもある
川上未映子さんが映画初出演を果たしているのですが、
すごく色っぽくてみとれました。
冨永監督とは「パビリオン山椒魚」に続くコラボレーションとなる
菊地成孔さんのたちのぼってくるような音楽が素晴らしくて。
そしてオールアフレコによるセリフが不思議な空気を作っていると思います。

太宰治が描いた恋と友情に揺れる「新しい男」を
冨永監督が描いたら・・・

宮城県では9月26日から先行上映されます。

2009年9月25日

プール

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「プール」を見にいこうと思っていたのには
いくつも理由があります。

まず、加瀬亮さんが出ている(笑)
「かもめ食堂」「めがね」の製作スタッフによる作品である。
その2作同様、フードスタイリスト飯島奈美さんが料理を手がけている。

小さなプールのあるタイのゲストハウスを舞台にした物語。
食事のシーンは前2作に比べると少ない気もしますが
やっぱり人柄や生活が表れる大事にシーンでした。

待っていた人を出迎えるときの料理。
おかあさんと娘の作る朝ごはん。
そして加瀬さんが作る鍋がおいしそう~!!!!!
(上から撮った画がたしかなかったはずなのに
取り分けるシーンでもうその湯気やコクが伝わってくるの!不思議です)

パンフレットを買ったら
加瀬さん演じる市尾くんの「市尾鍋」のレシピが載っていました。
これはぜひとも作ってみなくては!
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飯島奈美さんの料理はあったかく見えてとても好きです。
私もまねして、朝ごはんを。
ポイントはきゅうりです。(ぜひ映画をみてみて♪)
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タイ料理にも挑戦してみたくなりました。


映画は最後まで理由がわからないのが
「かもめ食堂」「めがね」と一緒です。
なぜ、ここに集まっているのか。説明がない。
ひととひとの距離感がすごく不思議でした。
ありのままを受け止めるやさしい距離感にも思えたし
私だったら寂しくなってしまうかな、と思ったり。
その時のモード、見た人のこれまでの人との
関わり方によって、印象はだいぶ違ってくるのかもしれません。

きれいなプールにさざ波をたてるような
ハンバートハンバート佐野遊穂さんの歌声が素敵でした。

【おまけ♪フードスタイリスト・飯島奈美さんの本】
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わたしのレシピコレクションの中でも大好きな一冊です。
映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の料理も
紹介されています。

2009年10月 6日

色即ぜねれいしょん

みうらじゅんさん原作の映画「色即ぜねれいしょん」を見てきました。
主演を務めるのはバンド黒猫チェルシーのvo.渡辺大知さん。
くるりの岸田さん、銀杏BOYZ峯田さんという
濃い~キャスティングの中で存在感を発揮していました。
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ボブ・ディランに憧れてロックな生き方を目指しているけれど
文化系で男子校では肩身の狭い思いをしながら
悶々としている男子のひと夏を描いた青春映画。

笑えて共感できて、男子校ってこうなの?と突っ込みたくなり、
観終わってなんともいえない爽快感の残る一本です。

学生時代を一緒にすごした友達と
観にいったらくすぐったくなるシーンもあるんじゃないでしょうか(笑)

渡辺大知さんはすごく表情豊か!
あどけないのに色気もある!
大人でも子供でもない、青春真っ只中男子を好演していました。

そんな渡辺大知さん率いる
黒猫チェルシーは今度の土曜日、
MEGA☆ROCKS2009で仙台初ライブです。
個人的にも絶対みたいバンドのひとつ。

そろそろラインナップを見つつ
自分タイムテーブルを作ります!

■■■MEGA☆ROCKS2009■■■
10月10日(土)

会場 OPEN/START

Zepp Sendai OPEN/13:00 START/14:00
仙台CLUB JUNK BOX OPEN/17:30 START/18:00
仙台MACANA OPEN/17:30 START/18:00
LIVE HOUSE enn OPEN/17:30 START/18:00
HooK SENDAI  OPEN/17:30 START/18:00
PARK SQUARE OPEN/18:00 START/18:30
Neo BrotherZ OPEN/17:30 START/18:00
darwin OPEN/17:30 START/18:00
HMV仙台一番町 START/18:30
Apple Store Sendai Ichibancho START/19:00

2009年10月 9日

私の中のあなた

映画の予告編や公開前のストーリー紹介で
物語が語られすぎることが多いと感じます。
もちろん事前の情報で興味をもって映画館に
足を運ぶことが多いのも事実ですが、時には
スクリーンでの出会いの楽しみを奪ってしまうことになります。
自分が伝える側のときは、気をつけなくては、と思う点でもあります。

あまり、情報をいれずに見にいきました。
キャメロン・ディアスがほぼノーメイクで
母親役に挑んだ「私の中のあなた」
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愛し方の違いがあるけれど、それぞれの深さに
心を打たれました。
自分の命を生きること。
誰かの命を思うこと。
フラットな気持ちで観にいくことができてよかったです。

【ハロウィン】
気がつくと街ではいろんなところにハロウィンの
ディスプレーが。仙台も台風が過ぎて一気に季節が進みそうです。
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2009年10月29日

THIS IS IT

全世界での同時公開。初日のレイトショーで
観てきました。THIS IS IT。

マイケルとロンドン公演にかかわるすべての人たちの絆。
ダンサーたちのことば。
50歳には見えないマイケルのうごき。
舞台監督のリスペクトのこめられた言葉。
後半で見えてくるマイケルからのメッセージ。
これを何年も前から歌にこめていたマイケルのすごさ。

リハーサル映像なのに、超満員の観客からの
鳴り止まない拍手が頭の中で流れています。

2009年12月27日

THEE MOVIE

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2010年1月19日

蜉蝣峠

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劇団★新感線の演劇を映画館で上映する「ゲキ×シネ」。
その7作目となる新作が来月上映されます。
番組でも試写会ご招待プレゼントがありましたが、私も今夜
試写会に行って来ました。

演出をいのうえひでのり氏、脚本を宮藤官九郎氏が手がけ、
去年、東京・大阪を多いにわかせたのが
『いのうえ歌舞伎 壊PUNK 蜉蝣峠』です。

主演は劇団の看板俳優・古田新太さん、
共演に堤真一さん、高岡早紀さん、勝地涼さん、木村了さんなど
豪華キャストが演じています。

いま最もチケットが取れない劇団のひとつといわれている
劇団★新感線。

舞台芸術のすばらしさを見せ付けられる幕の使い方の巧みさ。
ありえない展開。
ならでは、のギャグ!!
みごとな伏線。
目の前でノンストップに繰り広げられる立ち回り。

目を見張り、笑い、アウトロー時代劇の渦に巻き込まれているうちに3時間。
途中には幕間と同じように15分の休憩があります。

2月13日から全国ロードショーです。


【ストーリーをちょっとだけ】
自分の名前以外覚えていない男・闇太郎は、
元旅役者の銀之助に誘われて蜉蝣峠を下っていた。
やがて、極道者たちが勢力争いを繰り広げる
荒廃した宿場町にたどり着き、闇太郎は自らの過去と対峙する・・・

2010年1月24日

OCEANS

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海とそこに棲む生物をテーマにした
史上最大のドキュメンタリー映画、「オーシャンズ」がこの週末
公開になりました。

破格の制作費70億円を投入し、構想10年、撮影4年
世界50ヶ国、登場する生き物は100種類という
想像をはるかに超える未知の世界が映し出されています。
監督は、ネイチャードキュメンタリーの巨匠
ジャック・ぺランとジャック・クルーゾー。

海の神秘も、そして人間が冒していることも、
素敵なことも、悪いことも、とにかくしらないことがたくさんあります。

スクリーンの海の生き物たちをじっくりみていると
なんだか知り合いに似てたり・・・(笑)

チンアナゴがかわいかったなぁ。
ウミガメの赤ちゃんも。


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日本語版のテーマソングは
J-SIDE STATIONで、今月のDate fm MEGA PLAYナンバーとして
オンエアしている平原綾香さん、藤澤ノリマサさんによる
デュエットナンバーの『Sailing my life』です。

壮大な世界にぴったり。
ふたりがリレーして作り上げたという歌詞の世界が
映画の余韻と共にこころにひろがります。

2010年1月31日

ゴールデンスランバー

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2010年2月 4日

つむじ風食堂の夜

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フィッシュマンズの歌のようだ

この本を手にとったとき、そんな言葉が、たしか帯に
添えられていました。

その『つむじ風食堂の夜』が映画に。
チネラビータで公開されています。

どこにもなさそうで、どこかにありそうな空間。
食堂で繰り広げられる不思議な会話。
オーケストラの奏でる音楽。
スネオヘアーがマスター役なんて。

普通の町中を主人公が走っている映像もあるのに
なぜか「食堂」と主人公が住む「アパートメント」だけは
周囲とは違う時間が流れているような。

おとぎばなし、ときどきリアル。
でも圧倒的にファンタジー。

わたしの町にある、
ちょっと気になっていたレトロな食堂の扉を
開けて入ってみたくなりました。

2010年3月18日

てぃだかんかん

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2010年5月24日

春との旅

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この週末から、宮城県がロケ地として使われた映画
「春との旅」の公開がはじまっています。

小林政広(こばやし・まさひろ)監督で、
仲代達矢さん主演の映画です。

北海道の増毛(ましけ)から仲代さん演じるおじいちゃんと孫娘が
宮城にむかい、気仙沼、鳴子、仙台をめぐって
疎遠になった親類縁者のもとを訪ねる
ストーリー。仙台市内では南町通りやメディアテーク前のベンチも
登場します。

物語の順にオールロケーションで撮影された映像はとても美しく、
さらに大滝秀治さん、菅井きんさん、柄本明さん、
香川照之さんなど豪華な演技派が魅せてくれます。

映画館は年配の方も多かったですが、私もいろいろ考えてしまって
なんだか映画を見終わってから2時間くらい歩いてしまいました。

「春との旅」はフォーラム仙台、MOVIX利府、ワーナーマイカルシネマズ
名取エアリで現在公開中です。

2010年5月29日

未来の食卓

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メディアテークでの自主映画会に行ってきました。

仙台市内でおよそ30年有機栽培野菜などを食材に使う
オーガニックレストラン「おひさまや」を経営する鴫原幸恵さんが企画した会です。

タイトルは『未来の食卓』。

ブドウ産地の南フランスの小さな村が
学校給食にオーガニックフードを取り入れた経緯を紹介する
ドキュメンタリー映画です。

村ではブドウに大量の農薬を散布してきましたが、
住民からは体の不調を訴える声が相次いだそうです。

そこで村長は2006年の9月から学校給食などに有機栽培の野菜や
地元食材を導入します。
自然の味を覚えた村人の変化や
有機野菜がひろがっていく様子をカメラが追っています。

フランスってオーガニックフードが進んでいるイメージありませんか?
でも実際にはそうではなくて、ドキュメンタリーの冒頭部分、
これが食べ物含まれている物質??と
目を覆いたくなる化学物質名の数々に驚きました。


一方で、フランスの田舎の景色にはうっとり。

さらには「給食」のシーン。
子供たちのイキイキした表情を楽しむことができます。
にんじん嫌いの子供がいる風景は日本と同じです。
バナナを電話にみたてて遊ぶ子供たちのシーンには
会場からくすっとわらいがもれていました。可愛らしいシーンでした。
シェフが教室で梨などのフルーツをその場でむいてくれたり
「半分ほしいひとは?」「4分の1個がいい人は?」などと
会話をしながらその子が食べられる量を分けてくれるのは
日本の給食にはない場面でいいなぁと思いました。


子供が給食を通して価値観を変化させ、
それによっておとなの目線がかわっていく一本。
食べ物の安心・安全、そして”食”の偉大さについて
考えさせられる作品でした。

今日の自主映画会は二回上映が行われました。
参加した方の中には大学の先生もいらっしゃって、
学生に見せたいとおっしゃっていたとか。

『未来の食卓』のホームページから
配給元とコンタクトをとることができるそうです。

2010年7月 2日

借りぐらしのアリエッティ

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2010年9月13日

マザーウォーター

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『かもめ食堂』『めがね』『プール』という三作をつくってきた
プロジェクトの新作が10月30日から全国ロードショー公開されます。

今度の舞台は京都、タイトルは
『マザーウォーター』。

しずかにひたひたと、しみてくることばと景色。

自然でおだやかな人間関係。

フードスタイリスト飯島奈美さんのごはんは
今回もやはりおいしそうで、
そこに生きる人の生活や考え方をもお皿の中に表現してしまう気がします。

小泉今日子さんの淹れるコーヒーの音まで美味しかったです。

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今回も、登場するひとたちがこの街に来た理由は明かされません。
でも、もしわたしがこの街に引っ越すとしたら
どんな理由があるんだろう。もしこの街に住んだら
だれと最初にあって、どんな言葉をかわすのかしら。

時間がゆっくりながれます。

『あしたへは、ダイジなことだけもってゆく。』

シンプルでいいんじゃない、といわれてる気がします。
それが、ちょっぴり難しいこともあるんです、と
弁解するわたしがいたりもします。

加瀬亮さんの髪型は、気になります。


【お豆さん】
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J-SIDE STATIONのコーナー
『名盤ふたたび~マスターピースアゲイン~』のライターもされている
三浦さんから美味しい美味しい枝豆をいただきました。
朝採りの、甘い枝豆!!この夏のナンバーワンです。
こうやっておいしいものを通しても
『頑張れよ!』という気持を届けてくださっていると私は思っています。
スタッフルームにいたみんなでいただきました。

【枝豆ごしの・・・】
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井上さん。おいしすぎてほっこり、の図?

2010年9月26日

食べて、祈って、 恋をして

ジュリア・ロバーツの郷に入っては郷に従っているファッションは
自然体で素敵でした。

旅する映画は大好きですが、
これは気分転換に旅行にでかけるのとは違う、
自分さがしの"旅"のお話。

エリザベス・ギルバートが自らの体験をつづった
世界的ベストセラー
「食べて、祈って、恋をして 
女が直面するあらゆること探究の書」を、映画化した作品です。
原題は"Eat, Pray, Love".
日本語タイトルはきっと意訳だろうと、
原題が気になっていた私の予想を裏切ってそのままでした。

ニューヨークで活躍するジャーナリストのリズが
35歳で人生をリセットするために1年間の旅に出るというおはなし。

ひとを傷つけるのもひとだけれど
ひとを癒すのもやっぱりひとなんですよね。

非現実的だし文化的な背景も違うから
おとなのおとぎ話にも思えますが、
だからこそ映画でおとぎ話の部分は楽しんで
こころに残るセリフをとどめておけばいいのだと思います。

好きなセリフや気づくセリフがいくつもあったな~

友達に『あなたを表す言葉は?』と問われ
あって『私はライター』と答えると『それは職業で
あなたを表す言葉じゃない』といわれる主人公が
言葉に詰まるシーンがあります。

前に一緒に番組を作っていた女性が教えてくれたのですが、
『わたしは●●です』の●●に入る言葉を20個見つけようとすると
最初は名前、職業、性別、生年月日などが並んで
次に好きなものが浮かんだりするんです。
そして当てはまる言葉を探していって
15個を過ぎたあたりに出てくるのがやっと内面の自分なのだとか。

わ~私はなんだろう・・・なんだろう・・・なんだろう・・・。

そんなことを考えながら映画館を出たわたしです。


2010年10月 9日

レイトショーを観にいこう

♪レイトショーを観にいこう~♪なんてハナウタを
歌いながらでかけたはいいものの、
すっごくいろんなことを考えながら
映画館をでてきました。

映画『悪人』。
主演のふたりをはじめ、ほんっといい役者さんばっかり!
迫真の演技に身震いしたりせつなくてしかたなかったり。

普通のひとが悪人に転がりおちる瞬間。
普通の生活が一日を堺に180度かわってしまうこと。

国道の色
雨の色
漁村の色
食卓の色

苦しいほどにリアル。
こころゆさぶられる一本でした。

2010年10月14日

トイレット

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もたいまさこさんが、すごいです。
ほとんど無言なのに、あの存在感。

先日、映画『トイレット』を観てきました。

『かもめ食堂』や『めがね』の荻上直子監督が、
カナダを舞台に描く家族の絆の物語。

淡々としているようでいて
結構変化に富んでいると思うのは
ひとりひとりに起こる小さな出来事を
流れのなかでさらりさらりとひろいあげているからかしら。

くすくすわらって、ほろり。
せつないはずなのに、かわいかったり。

もしかしたら・・・見当違いだったとしても、
レイの行動は、孫のわたしには分かります。

2011年1月16日

ソーシャル・ネットワーク

とにかくスピード感のある一本でした。
去年TIME誌の『今年の顔』に選ばれた人が
すでに映画になっている、というスピードにも驚きです。

世界最大のSNS FACEBOOK創業者マーク・ザッカーバーグの
成功の裏表を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」をみてきました。

物語のスタートは2003年のハーバード大学。
19歳のマーク・ザッカーバーグは親友のエドゥアルドと共に
学内の友人を増やすためのワーキングサービスを開始。
そのサービスは瞬く間に他校でも評判となり、
ファイル共有サイト「ナップスター」創設者の
ショーン・パーカーとの出会いを経て社会現象を巻き起こすほどの
巨大サイトへと急成長をとげてゆきます。

単なるサクセスストーリーではなく、
自信やプライド、うまくコミュニケーションが進まない苛立ち
周囲の嫉妬、仲間の気持の変化、
人間の本音や奥の部分も描かれていて人間ドラマとして楽しめます。

人間くさいセリフにかぶさるようにコンピューター用語がぽんぽん飛び交う
高速の台詞回しに、最初はついていけるかと思いましたが
いつのまにかそのテンポに巻き込まれて
あっという間でした。
このくらいのサイズでストン、と映画を完結させる潔さもお見事。

主演にジェシー・アイゼンバーグ。
親友役には新しいスパイダーマンに抜擢されたアンドリュー・ガーフィールド。
ナップスター創設者役をジャスティン・ティンバーレイクが存在感たっぷりに演じています。
監督は「セブン」「ファイトクラブ」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のメガホンをとった
鬼才・デビット・フィンチャー監督です。
何テイクも撮ることで知られているそうですが、人物の描き方が絶妙で
丁寧だなぁと思いました。最初の5分の会話がまず見せ場です。
感想をいい合いたい一本でした。

追記:ゴールデン・グローブ賞4冠とりましたね!
    果たしてアカデミー賞は・・・

2011年1月24日

あしたのジョー

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2011年2月 5日

家族のおはなし

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先日一足早く
「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」をみてきました。

戦場カメラマンの故・鴨志田穣さんが、
アルコール依存症の経験をもとに、
元妻で人気漫画家の西原理恵子さんとの深い愛情や、
家族との絆を描いた自伝小説の映画化。

西原さんってすごいな。
ソウルメイトってこういうことなのかな。

毎日かあさんと共に見てみるのもいいですね。

桜井薬局セントラルホールで今日から
公開がはじまっています。

2011年3月 8日

ソウル・キッチン

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2011年7月24日

コクリコ坂から

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スタジオジブリの最新作『コクリコ坂から』を見てきました。

1980年代に雑誌『なかよし』に連載されていたコミックが原作ですが、
映画化に際して物語の時代を東京オリンピックを目前に控えた1963年に
変更しています。

横浜にある港の見える丘に立つ学校を舞台に、
明治時代に建てられた建物をめぐって
取り壊しに反対する少年少女の交流が描かれた作品です。

わたしは主題歌を歌う手島葵さんの『コクリコ坂から 歌集』を
聞いてそのアルバムが描きだす景色の豊かさに感動して
映画を見るのを楽しみにしていました。

学生たちが主張や思想を堂々と繰り広げる躍動感とさわやかさ、
一方で家族の物語や戦争の傷跡が描きだされるときに
じんわりと胸にせまるもの、両方があって
見終わって静かな感動で満たされるような作品でした。

試写会などでの”親子3代で楽しめる”という前評判が
本当によくわかりました。

子どもたちはきっとジブリならではの魅力的な
登場人物やそのしぐさや口ぐせに心ひかれるでしょうし、
私の親の世代はまさに主人公と同じような年代。
ということは私のおじいちゃんおばあちゃん世代は
映画の中にでてくる大人たちそのものなんですね。

昔だけど、そんなに遠くない昔。
テレビを見ている途中に買い物を頼まれた女子高生が"え~”としぶる理由が
"次は舟木一夫が出るのに~”という時代です。

家に帰って、父に少し映画の話をしていたら
父の口から映画そのままの風景や単語がぽんぽん飛び出したのには
驚きました。
夏休み、家族そろって観にいくのもいいかもしれませんね。

そして、ジブリ作品といえば、豪華な声優陣も毎回話題です。
大物俳優が登場するだけに
その存在感がキャラクターに見え隠れしてしまうことも・・・ありますよね。

今回もそうそうたる俳優さん、女優さんが声をつとめていますが・・・・
本当にハマっていると思います。

音楽の素敵な広がりも、大きなスクリーンで、ぜひ。


2011年10月27日

東京オアシス

おやつかごには”サクマのいちごみるく”です。
思わず手がのびます。J-SIDEスタッフみんなでぱくり。もひとつぱくり。
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甘いもの、といえば、
アメリカの科学者チームによる研究で、
"甘い食べ物を好む人は人当たりが良く、
人の手助けをする傾向が強い”ことが分かったそうです。

このニュースを聞いて、まず頭に浮かんだのは
"世界にはいろんな研究をしている人がいるものだなぁ・・・”
という素直な感想でした。

とはいえ、
初対面で強面の人がおいしそうにどら焼きなどほおばっていようものなら、
”きっといい人に違いない”という気になってしまいます・・・

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公開がはじまった"東京オアシス"のセリフで
とても印象的だった一言があります。

小林聡美さん演じるトウコがある出来事で道端ではじめて出会った
加瀬亮さん演じるナガノの運転する車に乗せてほしいと頼むシーン。

”こんな深夜に知らない男の車にあなたは乗るのか”と問われ、
そのときにトウコが車の後部座席を見て言ったのが
”こんなにたくさんレタスのダンボールを積んでいる人に、
悪い人はいない"という言葉でした。

ほほう・・・

行間がいっぱいの映画。
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ちなみに、冒頭は加瀬さんがガリガリ君を食べるという
シーンからはじまります。

加瀬さんmeetsガリガリ君・・・
はっきり言ってわたしにとっては夢のようなシーンです・・・

2011年11月30日

エンディングノート

ハナレグミが音楽を担当している。
それだけで映画館に足を運ぶには十分な理由ですが
見にいってよかったです。

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監督・砂田麻美
出演・砂田知昭

映像作家の娘さんが、実のお父さんを撮り続けた作品。
人生を締めくくるための”エンディングノート"を実現させるため
"終活”を追いかけています。

かなしい映画をいつの頃からか避けるようになりました。
たぶん、ハナレグミの「天国さん」をライブで、アルバムで聞いていなかったら
この映画を見にいくことはなかったんじゃないかなぁ。

けれど、とても考えさせられたり、生きることの勇気をもらえる作品でした。

だれにも訪れる最期について。家族のつながりについて。
兄弟・姉妹の信頼。長年パートナーと連れ添うこと。

自分の身近にあるものと照らして、感謝したり、反省したり。
監督自身がナレーションをいれていて
「わたくしは・・・」とお父さんの一人称で語っているのも特徴ですが、
お父さんから娘へ、娘からお父さんへのラブレターのような作品だとも思いました。

仙台では、クリスマスから桜井薬局セントラルホールで公開されます。

2012年2月 4日

永遠の僕たち

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2012年2月 8日

ポテチ

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伊坂幸太郎さんが、震災後自分にできることは何か、
地元の人たちが元気になることはと考え
「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」の
中村義洋監督にオファーして、動き出した映画、「ポテチ」。
音楽を「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」と
タッグを組んできた斉藤和義さんが担当しています。
夏には撮影がはじまり、4月には仙台先行上映が
早くもはじまりるというのですからそのスピードに本当に驚きます。

今夜、「ポテチ」試写会が行われました。
映画がはじまった瞬間から、おなじみの場所が目にとびこんできました。

わたしも勾当台公園で撮影のクルーがいるのを遠目に見たりしましたが、
撮影中には”俳優さんとラーメンやさんであった”など、目撃情報もときどき
聞いたりしました。宮城のひとたちがいろいろな思いをかかえながら
過ごした2011年に、隣で作られていたような一本なのだと思います。
原作は中短編集「フィッシュストーリー」に入っている1編であり、
もちろん震災前に書かれているものですが、
こんな素敵なメイドイン仙台の絆の物語が全国で公開されると思うと
うれしくなります。

68分というあまりないサイズの映画。
短い中に、伊坂作品ならではのちょっとクセのある愛すべき人たちと、
ウイット、そしてじんわりと感動が広がる作品でした。

番組の中で、近々中村監督へのインタビューをお届けすることができそうです。

2012年2月21日

ものすごくうるさくて ありえないほど近い

「リトル・ダンサー」は大好きな映画のひとつ。
その、スティーブン・ダルドリー監督がメガホンをとった映画
「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」。

正直、奇妙なタイトルだとおもっていたけれど
原作の直訳なんですね。
まもなく発表のアカデミー賞にもノミネートされています。

トム・ハンクス、サンドラ・ブロックの競演が話題ですが、
彼らの息子・オスカーを演じたトーマス・ホーンの目線で
描かれています。これがデビュー作というから驚き。

ときどき、うつくしさと怖さではっとするような描写があります。
少年の心を映像が繊細に描き出しているのはダルドリー監督ならでは。

9・11テロ事件で父親をなくした少年がどうやって悲しみを乗り越えるか。
題材が題材だけに前半は見ながら苦しくなるところもありましたが、
出会う人たちのまなざしに。3世代の家族の絆に。
いい映画をみたなぁと思います。

2012年3月 9日

アーティスト

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アカデミー賞の発表後、
ノミネート作品も続々と公開されていますが、
アカデミー賞で5部門を受賞した「アーティスト」も
来月7日から日本での公開がはじまります。

試写会で見てきたのですが、まず、いつも見慣れたスクリーンサイズが
小さくなります。これは初期のハリウッドで用いられた比率だそうです。
そして1920年代のハリウッド映画にリスペクトを捧げているこの映画は
モノクロのサイレントであり、ちょうどサイレントからトーキーへの過渡期を描いた
作品になっています。

サイレント映画自体、わたしは映画館で見たのははじめてだったのですが、
人物の台詞が聞こえてこないかわりにサウンドトラックが高らかになっています。
ロマンティックな展開を盛り上げているすばらしい音楽とともに
感覚を刺激される映画となっています。
CGや3Dが当たり前になりつつある映像の世界で、
いろいろな年代のひととも話してみたくなる映画だと思いました。

そして名犬アギーの演技にも注目ですね。
ジャックラッセルテリアのアギーは犬版アカデミー賞といわれる
第一回ゴールデンカラー賞、金の首輪賞で最優秀俳優犬賞を受賞しています。

アギーは現在9歳。人間の年齢にすれば52歳と、ベテランの域への突入で
世界一有名な犬の称号を得ましたが、今回で引退を表明しています。
キュートなふるまいと心に迫る名演をぜひ。

2012年6月30日

SNOWWHITE

子どものころ、紙芝居つきの白雪姫のレコードが宝物でした。
犬を飼ったらスノーホワイトという名前をつけることを決めています。
そんな個人的な思いを置いておいても、
甲冑を着る「スノーホワイト」には興味がありました。

「アリス・イン・ワンダーランド」のチームによる映像美には魅せられました。
そしてとにかくシャーリーズ・セロンが美しい!!
シャーリーズ・セロンは本当に魔法が使えそうでした。
オリジナルのストーリーをどこまで取り込むのかも興味があったのですが、
これは…次回作があるのかな?そんなエンディングに感じました。

ちなみに、今年9月にはジュリア・ロバーツ主演で
「白雪姫と鏡の女王」という作品が公開され、
この作品は今年亡くなられたアートディラクターの石岡瑛子さんの遺作でも
あるそうです。
ジュリア・ロバーツは女王役!!ストーリーも色合いもすべてが真逆。
こちらも楽しみ。

【自転車をこぐ】
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ハナウタがでるほど、青空!

2012年7月25日

おおかみこどもの雨と雪

子どもたちが夏休みに入り、映画館はレイトショーでも
ちらほら家族連れを見かけるようになりました。

いつもよりややにぎやかに感じる夜の映画館で
「おおかみこどもの雨と雪」をみてきました。
人間の母とおおかみおとこの父の間に生まれた
雨と雪。二人の最初の12年を描いていて、
アイデンティティーを確立していく、対比が見事でした。
そしてその12年というのは、主人公・花の12年であり、
女性が一番変化を遂げるであろう、出産・子育てを経ての時間です。

家族と、異なる考え方と、自然と、隣人と、変化していく事柄と、
共に生きるとはどんなことか。
ファンタジーとして楽しむ、というよりメタファーを読む部分が
いくつもあったように思えて、そういう意味では
アニメらしくないテーマを
アニメならではの躍動感の中で描いた作品だと私は思いました。

そして絵がとってもきれいで、イラストとして登場する森本千絵さんの絵もほんわか。
さらに、この映画を見たかった理由のひとつが、アン・サリーの歌う主題歌でしたが、
主人公と見た人たちを包み込むようにやさしく、ふかく、響いていました。

2012年8月 2日

ガレキとラジオ

■□■ガレキとラジオ■□■

2012年9月21日

時間割

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2012年11月10日

赤い季節

はじまって5分くらいでここはいつ、どこなんだろうという
空気が漂います。その無国籍感、時代感覚、殺し屋という設定で。
元THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
現The Birthdayのボーカル、チバユウスケさんの
ソロプロジェクト『SNAKE ON THE BEACH』の楽曲に着想を
得たロック・ムービーが仙台でも今日から公開になりました。

先日番組にも監督と出演する俳優の村上淳さんが出演され
今日の初回上映後には舞台挨拶も行われました。

監督は、『ミッシェル・ガン・エレファント
“THEE MOVIE” -LAST HEAVEN 031011-』の企画を務めた能野哲彦氏。
主演は、『青い春』『ゲルマニウムの夜』の新井浩文さんです。
そしてバンド『爆弾ジョニー』のフロントマン
新居延遼新(にいのぶ・りょうめい)さんも出演しています。

音楽と力強い映像の重なりがかっこいい一本でした。
(といいつつ、目をつむってしまうシーンも)
ライブシーンもしびれる!
音に対するこだわりはたとえば銃声やバイクのエンジン音にも
あらわれていて、バイク好きな人の感想も聞いてみたいなあと思いました。
新井浩文さんと村上淳さんのシーンがとにかく引きつけられます。
”音”と”気”の説得力でひっぱっていくそんなロックムービー。

MOVIX仙台で公開中です。

2013年1月22日

チキンとプラム

先日、イラン出身でフランスの漫画家マルジャン・サトラピが
自身の作品をヴァンサン・パローノと共同で映画化した映画
「チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜」を
見ました。

切り絵のようなシーンが差し込まれたり、その場面展開など、
夢と現実を行ったり来たりしているようなまどろみ感がありました。

”チキンのプラム煮”というのがどんなものであるか、調べてみると
イランの代表的な家庭料理で、鶏肉とプラムと玉ねぎ、トマトを
ターメリックとサフランで煮込んだ料理とか。
それをご飯と一緒に食べるのだそうです。

映画の中では心の離れてしまった夫に、妻が心を取り戻そうと
作るというシーンが出てきます。
この料理の時だけは「最高のプラム煮だよ」と優しい言葉をかけてくれるのです。
このシーンにものすごくせつなくなりました。

どのひとに感情を置くかによって、見え方が違ってくる作品。
あれこれ考えるよりも、
絵画的な映像に、主人公の奏でるバイオリンが彩る世界に、
あえてぽつりと置かれてみるのが私なりの見方です。

2013年1月25日

ゼロ・ダーク・サーティ

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2013年3月15日

犬と猫と人間と2

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先日、ドキュメンタリー映画
『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』監督の宍戸大裕さんを訪ねました。

以前にも電話インタビューで番組にご出演いただいたことがありましたが、
あらためんて震災後いてもたってもいられず
地元に戻った宍戸さんがドキュメンタリー作品を
とることになったいきさつや撮影中のお話など伺いました。

実は先月一度アポイントをとらせていただこうとしたのですが、
”牛の世話がありまして…”という驚く答えがかえってきました。

もちろん、牛の命にかかわることですから
またの機会にお話を伺わせてください、
とそのときは電話を切ったのですが、
実は映画が完成したいまも撮影で出会った
福島県・浪江町の牧場に定期的に通い牛の世話をされている宍戸さんです。

津波でペットを亡くした方が
映画の中にもでてくるそうですが、
”自分のせいで亡くなってしまったと思い詰める日もあるが、
あたたかい思い出を思いだすことで立ち上がろうとする”
飼い主さんの様子が映し出されています。
また福島の警戒区域に取り残された家畜、
犬や猫には子孫が生まれ、
人間を知らない犬猫たちの姿が映っています。
動物たちの姿から考えること、感じるものがたくさんありそうです。

先行上映会が多賀城と石巻でも行われましたが、
5月に東京・渋谷のユーロスペースで公開され、
その後順次公開されます。
県内での公開も待たれます。

■□■犬と猫と人間と2 動物たちの大震災■□■■□■

2013年7月11日

ローン・レンジャー

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『ローン・レンジャー』を見てきました。

アリゾナ、ユタ、コロラド、ニューメキシコと
4つの州で撮影が行われたという
ダイナミックな映像と、開拓時代の象徴である
大陸横断鉄道、ウィリアム・テル序曲にのって
繰り広げられるアクションシーンに
気持ちまるごとかっさらわれるような映画でした。

主演がジョニー・デップ、監督がゴア・ヴァービンスキー、
製作ジェリー・ブラッカイマーと、あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」の
チームが再びタッグを組んだアクション大作になっています。

もともと1930年代にラジオドラマで、50年代には
テレビシリーズや映画も制作されて人気だった
往年の西 部劇ヒーローが新たに映画化されました。
アメリカ人にとっては誰もが知っている”ヒーロー”なんですね。

ジョニー・デップ演じる悪霊ハンターのトントと
コンビを組むローン・レンジャー役にアーミー・ハマー。
これまでの人生も信念も、正反対のふたりが織りなす
ダイナミックな冒険と挑戦のものがたり。
映画館のスクリーンで見たい一本です。

アリゾナに行きたい!

2013年7月13日

ふたりのイームズ

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2013年8月 2日

犬と猫と人間と2

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2013年8月 4日

風立ちぬ

一筋の雲、
草原をなでていく風、
なでた髪の毛のやわらかさ。
人間の感覚がとらえるもの以上に
絵が美しいというのは
『風立ちぬ』の余韻の中でいま思い出している
シーンの数々を言うのかもしれません。

ストーリーでいえば、”大人向け”という声も聞きますが、
見る人にゆだねられる部分がとても多いという意味で
そう思いました。

菜穂子が心ふるわせるシーンにはそのひだひだの
動きが伝わるよう。
「ひこうき雲」はこの映画のために
生みだされたのではないかと思うほど。

主人公・二郎の誠実さや
職人気質はそのまま庵野監督の
声の出演の魅力だと思います。
ただ訓練している人は別として、その人の生き方と
重ねた年月が『声』の魅力だとしたら
年齢相応の声が出るはず。
どうしてもそこだけはため息です。 


2014年4月22日

アナと雪の女王

かつてニモを見た時、
タイトルがスクリーンに浮かび上がる前に
泣けてきたのですが、
『アナと雪の女王』はそれに匹敵する早さで涙〜…
あぁ、もっと早く見に来ればよかった…。

『アナ雪』と略す言葉が踊っていることが
しっくりこなかったのが映画館に来るのがこんなにも遅くなった理由です。
綺麗な日本語、略すなんてもったいないなぁと思うのに。
原題のFrozenが見終わってすとん、と心に入ってきました。

ディズニー史上初のダブルヒロインと謳われた今作。
氷に変えられる魔力を持ったために引きこもりになった姉と、
無邪気でおてんばな妹……というお姫さま姉妹。

そして「ありのままに生きる」って言葉で言うほど簡単じゃないから
これほどまでに多くのひとを引き込む映画になっているのかなと。
自分の中の怖れと闘う二人のプリンセス。
付け加えるならば、姉妹育ちの私としては完全に姉目線で
ストーリーを追いかけました。

雪と氷の描写が息をのむほど美しい。
オラフのキュートにきゅん。

2014年6月17日

チョコレートドーナツ

ハッピーエンドのお話が好きな、少年マルコ。
彼の大好物は、チョコレートドーナツ。

35年前のアメリカで実際に起こった出来事が
もとになった映画「チョコレートドーナツ」を観てきました。

胸をしめつけられるような理不尽と、
裁判での闘いが多くてとても苦しくてせつないのに、
愛にあふれたシーンが頭の中によみがえってきます。
ルディを演じる主演のアラン・カミングのまなざしが印象的で、ひきこまれました。
ポスターなどに載っているワンシーンは、ルディの抱きしめたぬくもりまで
伝えてくるようです。

ラストに歌うボブ・ディランの”I Shall Be Released"が
繰り返し頭の中で鳴って、クリスロードを歩いているだけで
また涙が流れてきました。映画を彩る希望…一筋の光とも言えるナンバーです。

マルコに負けないくらいチョコレートドーナツが好きだけど、
これからチョコレートドーナツ食べる時ぐっときちゃいそうです、私。

桜井薬局セントラルホールで上映中。
数少なくなった街なかの映画館。レトロな赤い椅子と
余韻を断ち切らないエントランスが大好きです。
この劇場でみられたことも本当によかったと思っています。

2014年10月28日

小野寺の弟 小野寺の姉

長い映画のタイトルは、チケットを買うとき
略して言うこともありますが…
これはどう略してもおかしいと思い、
『小野寺の弟 小野寺の姉』と言おうとして
二度目の”おので”、で噛んでしまいました。

親友の旧姓でもあるのに!
小野寺姓の多い宮城生まれだというのに!
…反省しながらチケットをにぎりしめて映画館に入ると
なんとなくですが、年齢層やファッションや…
片桐はいりさんと向井理さんのファンが半々のような…
そんな気がしました。

数々のヒット作の脚本家として名を馳せる
西田征史さんが、自身の原作小説を映画化した
『小野寺の弟・小野寺の姉』。

キャスティングの妙もあって話題になっていますが、
スクリーンで愛すべき素敵なきょうだいに会った気分です。
一見、ギャップのあるように見える姉と弟ですが
映画が進めば進むほど、二人がきょうだいにしか見えなくなりました。

何気ない日常の小競り合い。さりげない思いやり。
二人きょうだいならではの距離感。ひとつひとつが
じんわり心をあっためてくれるようなストーリー。

そして、両親亡き後も二人が暮らす日本家屋がとても味のある佇まいなのです。
決して立派ではないけれど、道具や家具は使いやすく手入れされていて
狭い日本家屋の中に調和していて。
私が子どもの頃は我が家も、友達の家も親戚の家もこんな家ばかりだったし、
よく見ればこんなものあった!という小物もちらほら。
くぐるとき、時々髪の毛挟んじゃう数珠状に玉が連なっている暖簾とか!
昔の結婚式の引き出物でいただいたような食器とか。
こんなふうに物をたいせつにする生き方をしていたら
こんなきょうだいになるのかなぁなんて、ふと思ったりするほど。
家のシーンがでてくるたびに、家具・小物にひきこまれ、
この空間描写なくしては成り立たない映画とさえ思いました。
いいなぁ、こういう板の間。

向井理さん演じる弟は調香師で『ありがとうの香り』の入浴剤をつくることを
会社から命じられているのですが、果たして。
ちなみに、調香室でのシーンでは既存の入浴剤として
さりげな〜くいくつかの商品が映しだされるの
ですが、『逆にひのきの香り』というのがあり、とても気になってしまいました。

逆にって!!

香りのネーミング、今いろいろありますよね。
イメージネーミングも多いですし。
2年くらい前『アイラブユーの香り』の部屋用芳香剤を買ってみた、という話をしたら
ものすごくさみしい人扱いをされました(笑)
気になっただけなのです!!

観終わって誰かと、ほうじ茶のみたくなるような一本。
小野寺きょうだいの幸せを願いながら。

2015年4月14日

はじまりのうた

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2016年6月28日

ファブリックの女王

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2016年8月25日

ゴーストバスターズ

仙台駅前の東宝劇場が閉館して10年、
TOHOシネマズとしてかえってきました。

東宝劇場には大学生の頃、本当によく通っていました。
休講になった時にふらっと寄ってその時にやっている作品を観たり、
その頃アルバイトしていた番組の
アナウンサーが映画に詳しく、よく連れて行っていただき
見終わってガールズトークをすることもしばしば。

高校生の頃、「タイタニック」を観た時はちょうど映画の日で混んでいて、
いちばんいいところで前のマダム3人組が「あらぁ〜」とか
しゃべり出すし、その隣のおじいちゃんは
なぜかおもいっきり頭を搔き出していたっけなぁ...
なんて思い出もあったりします。

わざわざ出向くのもいいのだけれど、やはり
ふらっと立ち寄れる場所に映画館があるのはいいですねぇ。

まだ新しい匂いのするTOHOシネマズは、
券売機や売店のあるロビースペースから
仙台駅を見下ろすことができて、いい眺めです。

そんな初めての映画館でみたのは
ゴーストバスターズ!

3Dで観たのですが、ゴーストが飛び出す時、
もうこのままアトラクションになりそう!
と思っちゃいました。

メインキャラクターの4人を女性が演じる今作。
オリジナルキャストのカメオ出演や、ちりばめられたオマージュも
あり、記憶の糸をたぐり寄せながら観る場面も。
秘書のケヴィン役はクリス・ヘムズワース。
まるで仕事をしないのに、憎めないいい味を出していました。
それにしてもメガネ男子いいですね、例えフレームだけでも...笑

科学者なのに!!とツッコミたくなる雑な根拠が多いのですが、
笑い飛ばしてオッケーな一本。週末に観るならこれくらい
軽いのがいいのかも。

2016年10月 6日

ハドソン川の奇跡

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2017年3月 2日

LA LA LAND

名曲はイントロから鼻歌を歌えますが、
何年も自分の心に残る映画もまた、
オープニングから心つかまれているのかもしれません。

サントラを買うまで好きになった映画は
どれもオープニングからすばらしかったな、などと
思いながら、「LA LA LAND」の幕開けに圧倒されました。
5分見ただけで、これは映画館でみるべき一本だなという
素直な思いに。

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売れないジャズピアニストのセブと
女優志望のミアの恋模様が、華やかな音楽とダンスとともに
描かれた作品。

音楽が感情の起伏を表していて、
音楽と心情と一体になって進むストーリー。
ミアのワンピースがすてき。
色使いがすてき。

人の夢と書いて、儚い。
美しくて、儚いもの。
儚いけれど、永遠に、美しいもの。

2017年4月20日

文左

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2017年11月 5日

彼女がその名を知らない鳥たち

最後の20ページまで来て結末を知るのが
怖くなって3日ほど放置、
最後の2ページで声に出して"え〜"と言ってしまった
ミステリーがありました。
主人公に一切共感できないのに、
こんなに引き込まれるなんてすごいなぁと。

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週末から公開がはじまった
沼田まほかる原作、
『彼女がその名を知らない鳥たち』。

ポスターには"共感度0% 不快度100%
でもこれは まぎれもない愛の物語"の言葉。

コミカルな演技にひきこまれる
阿部サダヲさんなので、キャスティングは
意外な気もしていたのですが、
映画を見たら、これは見事としか。
阿部サダヲさん演じる陣治が、2時間の物語の間に
何年もの奥行きを見事に見せてくれました。
ひとはひとに影響をされて、その関わりが
生き様に彫り込まれていくのだと、感じずにはいれらない。
そして、蒼井優さん演じる主人公・十和子の
最後の最後のつぶやきで思わず涙してしまいました。
重くのしかかるけれど、感想を分かち合いたいような一本。

2018年2月20日

祈りの幕が下りる時

新参者シリーズの完結編として
公開されている「祈りの幕が下りる時」。

今回もシリーズの舞台、日本橋・人形町の情緒が
ちりばめられていますが、仙台も重要な舞台に。
実際の映像は石巻が撮影地として登場していました。

母と息子、父と娘をめぐる、壮絶な人生のストーリー。
サスペンスとして引き込まれるだけでなく、ひとの
心の奥深くに触れられるような作品です。

阿部寛さん演じる主人公の加賀恭一郎が
追い続けていたお母さんに関する事実が明らかになっていく。
偶然と思われていた出会いが実は、意図されていたものであり。

演出家・浅居博美を演じた松島菜々子さん。
阿部寛さんのあの目力に対峙できる強くて凛とした美しさに
ひきこまれました。
そして浅井博美の少女時代を演じた桜田ひよりさんの演技にも
胸がきゅーっとなります。
そして小日向さんーーーー!!

重厚な人間ドラマと
すばらしい俳優陣の演技に泣かされました。

2018年3月 3日

THE GREATEST SHOWMAN

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先の平昌オリンピックの
フィギュアスケートのエキシビションでは
圧巻のフィナーレをかざったダンスで
"This is Me"が使われていました。

THE GREATEST SHOWMANの主題歌
This is Meを手がけたのは
「ラ・ラ・ランド」で去年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞を
ダブルで制したベンジ・パセックとジャスティン・ポールの
コンビです。

一途な愛と19世紀のエンターテインメント界に生きた
実在の人物、P.T.バーナムの人生を描いたミュージカル。
「ラ・ラ・ランド」と共通するのは
オープニングの圧巻。いつも映画開始のギリギリに
入るという方は、余裕をもって着席するのがおすすめです。

2018年4月19日

リメンバー・ミー

周りで見た人がみんな、"泣いてしまった〜"と言うので、
これは、目が腫れてもいい日に...レイトショーは危険...
などと思っているうちにすっかり出遅れてしましました。

同時上映のアナと雪の女王から涙腺は
刺激されまくりなのですが、
リメンバー・ミーのひいおばあちゃんの
顔をみただけでも、もう。

それにしても、死生観を揺さぶられる映画ですね。
死者の世界を描いていながら、テーマパークのような、
未来の世界のような、きらびやかなビジュアルにも
圧倒されます。

"思い出すことが大事だよね"と近しいひとを亡くしたとき
家族や友人と慰め合ってきました。
リメンバー・ミーの中の、「死者の国」にいるひとは、
生きているひとが誰もその人を語らなくなった時に
死者の国からも消えてしまうというストーリー。
忘れられてしまった時に、ひとは本当に死んでしまう、という
メッセージは、自分のバックグラウンドからも
共感できるものです。

自分が生きている間は、あのひとも心で生きている、と思う。
そうやって、悲しみに折り合いをつけながら
人生は前にだけ、進んでいくのかもしれません。

リメンバー・ミーの中では、主人公の祖先の真実が分かっていきます。
その人の思い出を語り合うことで、昔は分からなかったことを
誰かから聞いたり、その人の年齢に追いついた自分が何かを感じたり
することもあるでしょう。思い出は、その人が天国へいってもなお、
心の手をつないでいてくれるものだと思います。

2018年8月28日

カメラを止めるな!

お盆休みに観にいこうと思っていたけれど
満席に次ぐ満席。
さすがその注目度の高さなわけですが、
今日も平日の午後にもかかわらず
(女性が1100円になるレディースデーとはいえ)、
ほぼ満席のチネ・ラヴィータ。
すべりこみで最前列に座りました。

監督も俳優さんも知らなかったこともありますし、
さらに予備知識なしで見た方がいいという
助言もあり、まっさらな状態でスクリーンに向き合いました。

ゾンビ映画を避けている者としては
序盤は普通に気持ち悪いし、怖いとも思いますが、
見終わった感想は、脚本がお見事としか。
伏線が次々に回収されていくのは本当に気持ちいいし、
なんだか出てくるチームの一員になったような
高揚感があります。

ワンカットでのストーリーというのは
テレビの初期にあったという
生放送のドラマはあんな感じでつくられていたのかな・・・

予備知識なしで見た方がいいというのは
まさにその通り。
なんだかわからないけれど、何もかもが手作りで
そしてハプニングは起きるものだった、
早く終わってほしくて終わって欲しくなかった、
そんな学生時分の文化祭の思い出が蘇ってきました。

2019年8月29日

ROCKETMAN

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2020年2月10日

パラサイト

アカデミー賞でレネー・ゼルウィガーが
主演女優賞を受賞!
「ジュディ 虹の彼方に」公開が楽しみです。

そして、作品賞に選ばれた韓国映画の
「パラサイト 半地下の家族」。

展開や、社会問題をテーマにしながら
説明が多くないところ、
俳優さんたちの演技、どれもすごいけれど、
私はラストシーンを引きずりすぎているのだなと
いうのが、正直な思いです。
何年たっても内容をつぶさに覚えていそうな強さ。

2020年3月 5日

架空OL日記

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2020年8月13日

ENNIO MORRICONE

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フォーラム仙台で、
エンニオ・モリコーネの代表作で組まれた
追悼特集が行われています。

ニュー・シネマ・パラダイスをスクリーンで
観られると、最終日に駆け込みました。
ほんの数小節で、ぶわっと
感情が沸き起こるメロディー。
物心ついた時にはすでに「名作」コーナーに
あった作品を、
映画館で見られてよかった。
ふたたび見ることがあったら、
その時の自分に、また響いてくれる気がします。

2020年9月22日

秋色

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お散歩がてら、贈り物を探しに。
小さくてかわいいものが見つかる
ボタニカル仙台さんの入り口には
秋色のリース。外壁の色と相まって
なんだかおいしそうな組み合わせです。
さつまいもとかぼちゃのスイーツが
食べたくなりました。笑

【晩翠通りで】
今年最後のひまわりかなぁ。
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2020年10月 1日

MIDNIGHT SWAN

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2020年12月18日

越年Lovers

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2021年1月15日

サヨナラCOLOR

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2021年6月 9日

ファーザー

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映画「ファーザー」をフォーラム仙台で観てきました。
アンソニー・ホプキンスが認知症の父親を演じ、
2度目のアカデミー主演男優賞を受賞しています。

客観でも、介護側でもなく、認知症患者である
父親の視点で描かれている作品。
もともとは舞台作品だそうですが、
記憶と時間がごちゃまぜになっていくなかで
大胆さと繊細さの両方に引き込まれました。

娘とのやりとりには胸がつぶれる思いにも
なりましたが、同時に、父親がどんな人生を
重ねてきたのかも想像したり。
おどけて言ったり、過去を振り返るようなセリフは
アンソニー・ホプキンスがかつての出演作を
語っているように思えるほどで、
演技に思えない演技はすごいのひとこと。
生きるということは。老いるということは。
愛する人が遠ざかるということは。

2021年6月28日

Amazing Grace

今からほぼ半世紀前、1972年に教会で行われたライブの
ドキュメンタリー。滑り込みで見てきました。
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これぞライブの力と思うものがすべてその場にあり、
信仰のあるひとたちが織りなすゴスペルの祈りが
厚みをもって押し寄せてくるよう。
聖歌隊が、いてもたってもいられなくなる瞬間、
教会の椅子に座るひとたちが、ひとりまたひとりと
何かが乗り移ったように踊り出すのを見ていると、
ただただ、圧倒されました。

そして、解き放たれたようなパワーを感じるほど、
60年代の公民権運動の真っ只中をも生きてきた
黒人のひとたちが
抱えさせられてきたものにも思いが及びます。

何度も鼻の奥がツーンとなりながら、
レディ・ソウル、アレサ・フランクリンの
歌を、歌いっぷりを全身で浴びました。

2021年7月22日

Fishmans

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「フィッシュマンズ」のドキュメンタリー映画が
チネ・ラヴィータで公開されています。
メンバーやマネージャー、
関わりのあるミュージシャンへのインタビューと、
記録用と思われる数々のライブ映像が織りなす3時間。
佐藤くんの手書きの歌詞ノートが随所に挟み込まれるけれど、
「いかれたBaby」の文字が深く記憶に刻まれました。

時系列にまとめられたドキュメンタリーであり、
後からアルバムを追いかけたわたしも
謎解きをしながら、また渦に飲まれていくようでした。

フィッシュマンズとしか形容できない
ハイブリッドなサウンドを生み出してきて
アルバムごとの個性もあるバンドだけれど。
そこに乗る佐藤くんの歌詞の恋愛観って
相手に求めてなくて、ピュアできゅっとなるなぁ。
一生こんな気持ちで聴いていくんだろうな。

2021年9月 9日

ドライブ・マイ・カー

フォーラム仙台で公開中の
「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。
静かななかに、濃く描かれる縁や因縁。
生々しい人間模様に引き込まれる、映画でした。
今年これまで観た中で、一番よかった。

途中、ここまでがプロローグだったの?という
驚きもあって。劇中劇の多言語のセリフ、
カセットテープに吹き込まれた朗読、
そして石橋英子さんによる音楽。耳から入ってくる
大事な伏線がいくつもあって、集中していると
3時間という長さは全く感じませんでした。

石橋英子さんの音楽がすばらしくて
そしてサントラがカセットテープで出ていることを
知り、再生機を含めて欲しくなっています。

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2021年9月30日

サマー・オブ・ソウル

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2021年10月20日

護られなかった者たちへ

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2022年1月26日

HOUSE OF GUCCI

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2022年5月12日

AUDREY

ここ数年見たレジェンドといわれる人の一生を描く映画は
過度なお酒やドラッグ、人間関係で苦しむ姿が明らかになり、
見ていて最後は苦しくなるものが多かった気がするのですが、
オードリーは大スターとしての苦悩も、
ひととして誰もが抱えるような困難も、
力に変えて愛に生きた人でした。

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スクリーンの妖精、オードリー・ヘプバーン。
初のドキュメンタリー映画が公開中です。

"アーモンド型"の大きな目に吸い込まれそうになりますし、
ジバンシィのドレスを纏った数々のシーンは
画集をめくっていくように鮮やかであり
見ていてしあわせなため息がでます。

オードリーの精神性を表すような
バレリーナの映像が挟み込まれるのも印象的でした。

第二次世界大戦下で過ごした幼少期が
彼女の生き方に色濃い影響を与えたことが
明かされていますが、もし、オードリーが生きていたら
この2022年はどんなふうに映るのでしょうか。

ユニセフの国際親善大使として、
自身の影響力を世界中の子どもたちのために
使うと決めて全力を傾けていたオードリー。
おそらくは人生の残り時間も知りながら駆けていたであろう
晩年の姿は、さながら天女のようでした。

天性の美しさに、内面の美しさを重ねていった
オードリーの笑顔を世界はずっと覚えています。

2022年9月23日

BULLET TRAIN

伊坂幸太郎さん原作で
ブラッド・ピット主演、デビッド・リーチ監督が
メガホンを取りハリウッドで映画化された
「BULLET TRAIN」をフォーラム仙台で
観てきました。

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登場する悪者も完全には憎めないおかしみや哀愁や
悲しい過去があって。
登場人物たちのテンポのいい会話と
張り巡らされた伏線と、その見事な回収は伊坂さん原作ならでは。
観終わった後にはザ・ハリウッドなド派手なシーンの数々と
印象的に使われる楽曲たち、
伊坂ワールドの余韻が交錯して、不思議な気持ちです。

観る前は"もし日本で撮影されていたらよかったのに"、
と思っていたけれど、
CGとはいえ、大好きな新幹線が
こんなにもぶっ壊れていくとしたら
ストーリーに入り込めずに涙目になっていた
かもしれません...笑

ハリウッドが描く
"エキゾチック・ジャパン"には心の中でツッコミながらも
なんだか久々に振り切った映画を見た気分です。

2022年12月11日

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先日、窓際の席でコーヒーを飲んでいたら
通りかかった
「鬼滅の刃 無限列車編TV放送」のPRトラック。

あんなに話題になったにもかかわらず
結局映画館に行かずじまいだったので
昨夜テレビで見ました。

複雑さをちゃんと理解しようと
集中して見たせいか、
とんでもなく怖い夢を見て
冷や汗で起きてしまいました。
二度寝してもまた同じ夢を...
影響されすぎ、日曜日の寝起き。

2023年2月15日

エゴイスト

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前半と後半では
流れる時間のスピードががらっと変わるような映画だと
思いました。背景に映り込むものの色合いや、
要所要所で挟み込まれる音楽の使い方も巧みです。

そしてなんと言っても
鈴木亮平さん、宮沢氷魚さん、阿川佐和子さん。
俳優陣の自然で生きた演技のすばらしさが圧巻です。
「エゴイスト」というタイトルの意味を
劇中も、余韻の中でも、繰り返し考えてしまいます。
エゴイストって私、意味を取り違えていたんじゃないかなぁ。
ふだん説明の多い映像や物語を見慣れてきているなぁと
気付かされるところもあったりして。

映像は1つのカメラを行ったり来たりさせての撮影法が
多用されているので、だいぶ揺れます。
途中ちょっと酔ってしまい、
目をつむって音だけ追いかけるという時間がありました。
寝不足厳禁、体調のよい時に、というワンポイント。

2023年3月 2日

別れる決心

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2023年3月 8日

BLUE GIANT

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画の熱量と
音楽の熱量と!

2023年4月12日

生きる LIVING

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2023年7月20日

君たちはどう生きるか

このアオサギのビジュアルしか事前情報がない
中での封切りでした。
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先週末から公開がはじまった
スタジオジブリ宮崎駿監督の10年ぶりの
長編アニメ映画「君たちはどう生きるか」。

強さと弱さ、神がかった存在と個の人間、
美しさと醜さ、生と死...シーンごとに入れ替わるようで、
振り子のようにゆさぶられながら気持ちをもっていかれました。

宮崎駿監督が引退を撤回して作り上げた作品。
集大成といわれる壮大さのなかで、
宮崎駿監督から、「わたしはこう生きた、
君たちはどう生きるか」と強烈に問われている
気がしました。

2023年8月 9日

ドキュメント サニーデイ・サービス

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2023年10月25日

キリエのうた

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余韻から抜け出せずにいて、
サントラを繰り返し聴いています。

冒頭、七尾旅人さんが出てきますが、
この人の声はどんなメンタルの時でも
こころがきゅうっとなるもので。
そこから全編通して、音楽が心をきゅうっとする映画でした。

音楽の持つ力を信じていなければ、こういう
作品はぜったいに生まれないですね。
音楽を通して、この時代の閉塞感や震災の喪失や、
社会にも切り込んでいると思います。
説明を尽くさずとも、"象徴"させるのが
本当に絶妙。ひとの関係性で見せる。
色で見せる。画の大きさの対比で見せる。
伏線回収、というテンポではなく、
手繰り寄せるように、時と場所を行ったり来たりしながら
13年の出来事がゆっくり明かされていきます。
3時間という長さは、この物語を紡ぐのに必要な長さでした。

キリエ。
祈り。鎮魂。叫び。讃美。希望。
映像といっしょに、歌詞の刺さり方がものすごい。

2024年3月14日

哀れなるものたち

アカデミー主演女優賞に輝いた
エマ・ストーンの憑依っぷりは、圧巻!
天才ヨルゴス・ランティモス監督が魅せる
映画「哀れなるものたち」をやっと見てきました。

エマ・ストーン演じるのは、
天才外科医によって蘇った若き女性ベラ。
未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出ます。
時代の偏見から解き放たれ、
平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる...というもの。

おすすめしてくれた人の
「感想を言いにくいけど、感想を聞きたい」という言葉が
わかりました。なぜなら、私もそんな気持ちになったので。

倫理的に許されない人体改造のシーンで
まさに「ゴッド」、神の領域に踏み込み
何ひとつとして予測できないまま、最後まで
ストーリーが進んでいきました。
とんでもないけど、どこか憎めない、ひと・ひと・ひと。

皮肉と本音。男性と女性。大人と子供。
人間と動物。真心と下心。
カラーとモノクロ。内と外。抑制と解放。

雄弁な音楽と、全部のシーンで見惚れた衣装も、
美術も突き抜けていました。
哲学であり、ファンタジーであり、ホラーであり。
でも本当は全部、ベラの夢の中だったのかもしれない。
没入するには映画館の空間が必要です。

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